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2016年8月 5日 (金)

(3)お客様が入りやすい「入り口」のつくり方

こんにちは。

月刊・商業界9月号(2016年8月1日発売)に掲載された

「人の動き」を理解すれば売れる店は一晩でつくれる

の記事を、シリーズでご紹介しています。


(3)お客様が入りやすい「入り口」のつくり方

駅ナカ・駅ソトの店を観察していると、時々「入り口」がない店に出会うことがあります。

そのような店は、大変良い立地にあるにもかかわらず、なかなかお客様が入ってきてくれません。

みなさんは「入り口」がない店などあるはずがないと思うかもしれませんが、これは店の周囲を壁やガラスで閉じているか、あるいはオープンにしているかなどということとはまったく次元の違う問題なのです。

先ほどもご説明したように、店は店員のなわばりなので、お客様に対しては、

「ここには立ち止まっても安全」

「ここから中に入っても安全」

だという情報が出やすい特別な空間をつくることが絶対に必要なのです。

お客様にとってわかりやすい「入り口」がない店は、なかなかお客様を店頭に立ち止まらせることができず、当然、中に入ってもらうこともできません。

それではどのようにすればわかりやすい店の「入り口」をつくることができるのでしょうか?

まず、理解してほしいのは「戸板一枚の店」という概念です。
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ここで言う戸板とは日本家屋の雨戸のことで、初期の店ではこの戸板を地面に置いて商品を並べ、店員が後ろに座ることで最も簡単な構造の店(接触型店)をつくりました。

この戸板のサイズはお客様から見て、幅約一八〇センチ、奥行き約九〇センチ。

この上に商品をびっしりと並べたぐらいの情報量がお客様にとって一番見やすく把握しやすいので、店を構成するときの一つの単位と考えます。

店は、商品空間、店員空間、客空間という三つの空間から構成されていて、その配置の仕方によって八つの構造に分類することができます。

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店の構造によって、「入り口」のつくり方は様々ですが、ここでは、最近の駅ナカ・駅ソトショップの主流である

「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」と

Photo_4

「店員空間がない・引き込み・回遊型店」

Photo_5

の場合を考えることにします。

まず、店頭の、できるだけお客様から近い中央の位置に「戸板一枚」の情報量を持つ商品空間を用意し、その両脇に店内への通路をつくります。

もちろんこの商品空間は本当に戸板の形状をしている必要はなく、棚や階段状でもかまいませんが、ここでもう一つ重要なポイントがあります。

それは「商品をできるだけ低い位置からディスプレイする」ということです。

これまで様々な店を観察してきましたが、高い棚や高い什器に少量の商品を並べて成功している例はほとんど見たことがありません(アクセサリー、貴金属などサイズが小さく狭い場所で多くの情報を提供できる商品は別)。

なぜかというと、商品が高い位置にだけ陳列されている店は一般に商品の情報量が少ないため、そばに近づかないと何を売っているのかがわかりにくく、また、お客様が上を向くため店員と目が合いやすいので、なわばりを解除しにくいのです。


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これに対して、商品が低い位置から陳列されている店は一般に商品の情報量が適切で、離れたところからでも何を売っているかが分かりやすく、また、お客様が下に目を向けるために店員が気になりにくいため、なわばりが解除されやすいのです。
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ただし、このような「入り口」の仕掛けをつくったからといって、いつでも「入り口」が開いているわけではありません。

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店員がなわばり主張のアクションをしたり、客足が途絶えたりすると、途端に「入り口」が閉ざされてしまいます。

お客様の行動はまるで魔法のように一瞬で変化してしまいます。

お客様と店員のアクションの相関関係はまるで、確かにそこにあるのに観客の目にはまったく見えない手品の種のようなものなのです。

(次回は、(4)お客様が回遊しやすい「回遊通路」はこうつくる、をご紹介します)



関連記事】

1.(1)「お客様に見えて店員に見えないもの」

2.(2)店員のなわばりがお客様を遠ざけている」


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