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2016年7月19日 (火)

9.セルフで買える酒の激安店「河内屋酒販」が、1991年当時に提供した「一見接客」とは?

こんにちは。

このシリーズでは、約25年前(1991年当時)、お客様を「一見客・いちげんきゃく」(見知らぬ客)として迎え、「一見接客・いちげんせっきゃく」を提供することによって、大勢のお客様を引きつけた店、あるいは引きつけようとした店をご紹介しています。

さて今日は、当時(1991年)の東京の葛飾区にあった「河内屋酒販」が、酒をセルフサービス方式で販売し、大勢のお客様を引きつけた様子をご紹介いたします。

1980年代まで、全国各地の酒販店は、長い間の免許制度に守られて、旧態依然とした商店街の店として、他の業界の変化に取り残されるようにして、営業を続けてきました。

そして、1980年代後半から始まった規制緩和を背景として、酒をディスカウントして販売する大型酒販店が登場し始めてきました。

その大型酒販店の一つであった「河内屋酒販」が提供した「一見接客」についてご説明いたします。

(以下のイラストは、「新しい客がどんどん来る店」・日本経済新聞社・1991年より抜粋したものです。)

(1)「店員空間のある、引き込み・回遊型店」の構造をした大型酒販店。

セルフサービス方式を採用した広い店内には、天井まで高く積まれた「商品空間」と、広い回遊通路の「客空間」が設けられていて、いずれも「なわばり」が解除された空間となっていました。

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Photo※「店員空間のある、引き込み・回遊型店」



(2)高く積まれた大量の「商品空間」。


店中に山積みされた「商品空間」は、「狩猟採集」の血を騒がせて、大勢のお客様を引きつけました。


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(3)従来は見られなかった大勢の男性客。

大きくて重量のある商品の特性もあり、この店は従来の酒販店には見られなかった男性客を大勢引きつけました。

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(4)従来の商店街の酒販店のイメージを打ち破る店舗の構造と規模。

一見、倉庫のようなイメージは、従来の酒屋さんのイメージを打ち破りました。


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(5)セルフサービス方式が、完全な「一見接客」を提供した。

お客様から注文を受けた後から接客を開始する「一見接客」が、セルフサービス方式によって完全に提供されました。


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(以上のイラストは、「新しい客がどんどん来る店」・日本経済新聞社・1991年より抜粋したものです。)


かつての商店街において、他の業種店が停滞や衰退を強めて店舗移転や店舗リニューアルを繰り返す中で、酒店だけは、旧態依然とした店舗構造で、「常連接客」を行いつつ営業を続けてきました。

そのために、商店街の中で一番入りにくくひやかしにくい店となっていました。

Photo
※「店員空間にない、引き込み・回遊型店」は、「常連接客」を行うための店の構造。


それに対して、郊外の、しかも交通機関の良くない立地などに、倉庫のようなイメージの大型酒販店が登場し、お客様がカートで自由に回遊しながら商品を選べる「セルフサービス方式」を採用することによって、一気に大勢のお客様を引きつけました。

Photo
※「店員空間のある、引き込み・回遊型店」は、「一見接客」を行うための店の構造。


この店「河内屋酒販」が、それまで主力ユーザーだったにもかかわらず、ほとんど店には姿を見せなかった男性客をあっという間に引きつけた一番の理由は、お客様の注文を受けた後から接客を開始する「一見接客」を提供したからなのです。

大勢の男性客は、「なわばり」が解除された「客空間」(=回遊通路)で、山積みされた「商品空間」をながめながら、「狩猟採集」の血を騒がせて、次々と多くの商品をカートに積み込んでいったのです。


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