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2016年7月 9日 (土)

5.受付を設けたクリニークの一見接客(1991年当時)とは?

こんにちは。

このシリーズでは、約25年前(1991年当時)、お客様を「一見客・いちげんきゃく」(見知らぬ客)として迎え、「一見接客・いちげんせっきゃく」を提供することによって、大勢のお客様を引きつけた店、あるいは引きつけようとした店をご紹介しています。

さて今日は、25年前(1991年当時)の東京・伊勢丹新宿本店の化粧品店「クリニーク」が、店の規模をより大きくして受付カウンターをつくり、「一見接客」の店であることを明確に訴求した様子についてご紹介いたします。

伊勢丹新宿本店の「クリニーク」は、それよりさらに10年ほど前(1981年頃)に、激しい常連接客が繰り広げられることで有名だった化粧品コーナーに、どの店にも先駆けて「一見接客」の店をつくり、大勢のお客様を引きつけました。

その後の1991年当時には、すでに各化粧品店はセルフサービスコーナーや施術サービスコーナーを設けた店に変化してきましたが、「一見接客」を提供するためには、やはり規模の大きいこの店「クリニーク」が非常に有利な店となっていました。

(以下のイラストは、「新しい客がどんどん来る店」・日本経済新聞社・1991年より抜粋したものです。)


(1)受付カウンターを設けた大型店舗(1991年当時の様子)

当時(1991年)の百貨店の化粧品コーナーは、すでに大型化が進行していましたが、この店「クリニーク」はいっそう大きい店で、「一見接客」を提供しました。

1970年代~1980年代の百貨店の化粧品コーナーは、すべての店が「店員空間の狭い接触型店」で、激しい「常連接客」を競い合い、百貨店の中で最も「恐いコーナー」として有名でした。

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※イラストの全景は、当時の店全体の約三分の二の部分を描いています。

(2)店員が「なわばり」解除しやすい広い「店員空間」

この店の構造は、「店員空間が広い接触型店」と「店員空間が広い引き込み型店」の折衷型店舗でした。


Photo_2※「店員空間が広い接触型店」

Photo_3※「店員空間が広い引き込み型店」


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(3)接客中や作業中の店員のアクションは、「なわばり」を解除した「客を引きつける店員のアクション」です。

規模の小さい店は、店員の存在が気になりますが、規模の大きいこの店の場合は、店員がほとんど気になりませんでした。

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(4)受付後の店員の接客は、お客様はほとんど気になりません。

お客様が声をかける前から接客を開始する「常連接客」の場合は、店員のちょっとした動き(しぐさ=身振り手振り)が気になりますが、「一見接客」の場合は、店員の案内や説明を聞く気になっているために、たとえ店員が多少問題のある動き(しぐさ=身振り手振り)をしたとしても、お客様はほとんど気になりません。

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(以上のイラストは、「新しい客がどんどん来る店」・日本経済新聞社・19991年より抜粋したものです。)


1970年代~1980年代の各百貨店の化粧品コーナーは、店員が激しい「なわばり」主張のアクションを行っていたために、購入客層の女性にとっても非常に近づきにくいコーナーとして大変有名でした。

Photo_2
※典型的な百貨店の化粧品売り場(1986年当時)

したがって、1986年当時に取材した時点(入りやすい店い売れる店・日本経済新聞社)では、「店員空間が広い接触型店」の構造をしていた当時のクリニークの店は、群を抜いてひやかしやすい店だと感じられました。

その店で大勢の店員が接客や作業中のアクションに追われる様子は、「なわばり」を解除する店員のアクションとなって、次々と大勢のお客様を引きつけていきました。

「クリニーク」は百貨店の化粧品コーナーにおいて、初めて「一見接客」を提供した店だったのです。


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