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2016年7月23日 (土)

11.トヨタのショール「アムラックス」が、1991年当時に提供した「一見接客」とは?

こんにちは。

このシリーズでは、約25年前(1991年当時)、お客様を「一見客・いちげんきゃく」(見知らぬ客)として迎え、「一見接客・いちげんせっきゃく」を提供することによって、大勢のお客様を引きつけた店、あるいは引きつけようとした店をご紹介しています。

さて今日は、1990年、東京・池袋に、トヨタ自動車国内企画部が、当初は「集客力のある売れるショールーム」(実際には売らないショールームとなった)としてつくった「アムラックス東京」をご紹介します。

「アムラックス東京」は、地下1階~地上5階までを使って、トヨタの全車種を一度に見られる世界最大規模(当時)のショールームをつくり、当初予想の二倍近くを集客しました。

また1993年には、大阪・梅田に「アムラックス大阪」を開設し、どちらも大勢のお客様で賑わいました。

そして、「アムラックス大阪」は10年後の2003年に、「アムラックス東京」は23年後の2013年にそれぞれの役割を終えて営業を終了しました。

今回は、1991年当時、「アムラックス東京」が大勢のお客様に提供した「一見接客」についてご説明いたします。

(以下のイラストは、「新しい客がどんどん来る店」・日本経済新聞社・1991年より抜粋したものです。)


(1)「店員空間のある、引き込み・回遊型店」の構造をした大型ショールーム。

「アムラックス東京」はもともとは自動車を販売する計画でしたが、ディーラーへの影響を考慮して、売らないショールームとしてオープンしました。

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Photo※「店員空間のある、引き込み・回遊型店」



(2)その後の自動車の売り方を変えた、「一見接客」のショールーム。

長い間、自動車はセールスマンから買うのが一般的で、お客様が自由に自動車に接するチャンスなどはめったにありませんでした。

それがこの「アムラックス東京」では、お客様から注文を受けた後から接客を開始する「一見接客」が提供されたために、お客様は好きなだけ自動車に接して検討することができたのです。

このショールームの予想外の成功が、その後の自動車販売に大きな影響を与えることになりました。

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(3)「一見接客」のショールームをつくって初めて、「常連接客」のショールームの問題点に気付いた。

従来までの、規模の小さいショールームでは、お客様から注文を受ける前から接客を開始する「常連接客」を行ったために、多くのお客様を遠ざけていたことに、関係者たちは初めて気づいたのです。

ほとんどのお客様は、自動車を購入する際には、実際の自動車を見比べたり、自動車に触れたり乗ったりして、検討できることを強く望んでいたのです。


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(4)「店員空間のある、引き込み・回遊型店」の構造で、「一見接客」を提供。

商品を販売しないショールームとはいえ、お客様から注文を受けた後から接客を開始する「一見接客」の提供は、大勢のお客様を引きつける大きな要因となったのです。


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(以上のイラストは、「新しい客がどんどん来る店」・日本経済新聞社・1991年より抜粋したものです。)


1990年代は、全国各地にコンビニエンスストアがどんどん普及していくと共に、ファーストフード店、コーヒーショップ、ドラッグストア、百均ショップ、大型ディスカウントストアなどを初め、セルフサービス方式を採用した様々な業種の店が、次々と登場してきました。

当然、自動車のような大きな商品までも、セルフサービス方式で購入することができないものかという、強いニーズが存在していました。

なぜならば、当時は、百万円~数百万円という高額な商品を、一度も実際に見たり触れたり試したりすることなく、小規模のショールームに展示された限られた商品とカタログだけで購入することしかできなかったからです。

そのような時代に、トヨタの全車種の新車を一度に見たり、触れたり乗ったりすることができる「東京アムラックス」がオープンしたことは、多くの自動車購入希望者に、「ようやく自動車がセルフで購入できる時代が来た」ということを感じさせました。

こうして「東京アムラックス」、「大阪アムラックス」の登場を境にして、大きなショールームを備え、「一見接客」を提供する自動車のディーラーはどんどん一般的になっていったのです。


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