「高島屋・新宿店」が息を吹き返した動線とは?
こんにちは。
「世界最多の1日350万人が利用する新宿駅の南側に日本一のバスターミナルが誕生してから約2か月。その影響は予想以上に大きく、新宿の街全体を揺り動かしている」
「人やカネが続々と集まり、じり貧だった高島屋は息を吹き返し、バスタがスイッチとなって駅周辺の開発が加速する」と、日経MJ(5月30日)が報じています。
さて今日は、それまではごちゃごちゃしていて何となく足が向かなかった新宿駅南口に、「新宿バスタ」が誕生することによって、新しい動線が生まれ、バスタ以南へも人が一気に流れ出すことによって、息を吹き返した「高島屋・新宿店」についてご報告します。
(1)従来の「高島屋」は、一番「移動客」の少ない百貨店
「高島屋」は、新宿駅周辺にある百貨店の「伊勢丹」、「京王」、「小田急」に比較して、一番移動客の少ない百貨店でした。
なぜならば、地下及び地上の各「出入口」が、大勢の移動客が行き交う通路(移動空間)に接していなかった上に、交通機関を利用する乗降客が移動する強力な「移動空間」にも接していなかったからです。
(地下1階の 東京メトロ副都心線「新宿三丁目駅」への「出入口」は強力ではない)
(2)伊勢丹、京王、小田急は、従来から「駅ソト」商業集積だった
伊勢丹、京王、小田急百貨店は、それぞれ、地下及び地上の各「出入口」が、大勢の移動客が行き交う通路に接していることと、交通機関を利用する乗降客が移動する強力な「移動空間」にも接していることによって、大勢の移動客を取り込むことができていました。
つまり、伊勢丹、京王、小田急百貨店は、従来より「駅ソト」だったのです。
しかし、高島屋百貨店だけは、他の百貨店ほどの「駅ソト」の条件を満たしていませんでした。
(3)「高島屋」が息を吹き返した、地上一階と二階の通路の変化
①地上一階の各「出入口」が接する通路の通行量が増えた
地上一階の左側より「ルイビトン出入口」、「明治通り側正面出入口」、「ニュウマン側出入口」の三か所の「出入り口」は共に、バスタ新宿、ニュウマンエキナカ&エキソト商業集積、ミライナタワー、ミライナタワー内ニュウマン等の一連のオープンによって、通行量が増えた。
※明治通り側地上一階「出入口」①
※ニュウマンに接した地上一階「出入口」②
※明治通り側のルイビトン地上一階「出入口」③
②地上二階の各「出入口」が接する通路の通行量が増えた
地上二階の「出入り口」は、従来は、サザンテラス方面からの通行客に限られていたが、ニュウマンエキナカ&エキソトとミライナタワー内ニュウマンと隣接し、加えてJR新宿「新南改札」、「ミライナタワー改札」とバスタ新宿の「出入口」につながる広場とも隣接することによって、通行量が激増した。
ミライナタワー内のニュウマンに隣接した地上二階の広場(広場奥右側に出入口がある)
※ニュウマン、バスタ新宿に隣接した広場に面した地上二階の「出入口」
※東急ハンズ、紀伊国屋書店の地上二階の「出入口」につながる通路(右側が線路を挟んでサザンテラスがある)
※地上二階の「出入口」とバスタ新宿を結ぶエスカレータよりの眺め
(4)商業集積の立地は、「移動客」を取り込める立地が最大条件
全国各地の主要駅周辺に立地する商業集積が集客に成功するか失敗するかは、その商業集積がどれだけ「移動客」を取り込めるかどうかに左右されています。
たとえ主要駅の改札口そばに立地した商業集積であったとしても、その商業集積内を回遊して、他の目的地に移動できる構造となっていなければ、なかなか「移動客」は取り込めません。
つまり、その商業集積内を回遊して、他の目的地に移動できる構造となっていることが非常に重要なのです。
東京、大阪の主要駅周辺に本店をもつ百貨店が、全国各地の主要駅周辺に出店しながらも、業績不振に陥ったり撤退を余儀なくされたりを繰り返してきたのは、単に主要駅の改札口そばに立地しているだけで、強力な「移動空間」に接したり、百貨店そのものが「移動空間」としての構造を持っていなかったことが大きな要因なのです。
「若い女性増え高島屋が蘇生」と5月30日の日経MJが報じている「高島屋・新宿店」の蘇生の具体的な要因は、遠かった従来のJR新宿駅の南口改札口が、甲州街道を越えて、「甲州街道改札」、「新南改札」、「ミライナタワー改札」の新しい三つの改札口として、「高島屋・新宿店」の地上二階の「出入口」に近づいてきたことなのです。
あわせて、「高島屋・新宿店」がバスタ新宿とニュウマンの一階&二階の「出入口」と隣接したことが「蘇生」の大きな要因なのです。
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