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2016年6月 1日 (水)

エスカレーターの乗降客に対して敢えて壁を作った店「’ei r ゼア」(新宿・ニュウマン2F)

こんにちは。

さて、今日は、「JR新宿ミライナタワー」の「ニュウマン」の2階にある、「'eir ・ ゼア 」を、店員と客のアクションで観察&分析いたします。

'eir ・ ゼア 」は、インポートブランド婦人靴・バッグ・雑貨のセレクトショップです。


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※L字型をした店であること、エスカレーターに対してガラスの壁を作っていることが、この店の特徴です。


この店は、L字型をした、「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」の構造をした店舗です。

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ただし、この店は「商品空間」を店内に少しだけ引き込んでいるために、厳密に言えば「店員空間のない、引き込み・回遊型店」の構造に分類されます。

しかし、通路に沿って大部分をオープンにしているために、今回は、「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」とします。

それでは、この店がお客様を引きつける状況と、お客様を遠ざける状況について、店員とお客様のアクションという観点からご説明いたします。


■この店がお客様を引きつける状況とは?

(1)接客中の店員のアクションが生じた場合

一般的な「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」において、お客様が引きつけられる状況は、接客中の店員のアクションが生じたときです。

この店・「ゼア」の場合も、「商品空間」の大部分が通路に面してオープンになっているとはいえ、この構造の店がお客様を引きつけるのは、接客中の店員のアクションが生じたときです。

それは、この店の店員が他のお客様に接客をすることによって「なわばり」が解除され、通行客にとって大変近づきやすい店になるからです。

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※店員(左側)の接客中のアクションが生じると、通行客を引きつけやすくなる。

(2)作業中の店員のアクションが生じた場合

接客中の店員のアクションと同様に、作業中の店員のアクションも、店員の「なわばり」を解除する典型的な客を引きつけるアクションです。

したがって、この店・「ゼア」の場合も、接客をしないまでも作業中のアクションを店員が行っている場合は、通行客にとって近づきやすい店となります。

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ただし店員が、作業中の店員のアクションが「なわばり」を解除するために、お客様が近づきやすくなるということを理解していない場合は、その効果も半減します。

(3)サクラパワーが生じた場合

このタイプの構造の店が一番お客様を引きつけるのは、やはり、「サクラパワー現象」が生じたときです。

お客様にとって、店の「なわばり」が最も解除されるときは、すでに他のお客様が存在している場合です。

なぜならば、すでに存在しているお客様が「サクラパワー」を発揮して、店の「なわばり」を最大限に解除するからです。

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※接客を受けたり商品を選んだりしているお客様の姿は、次々と通行客を引きつける「サクラパワー現象」を生み出します。

この店「ゼア」の場合も、次々とお客様が引きつけられる「サクラパワー現象」を観察することができます。

■この店が客を遠ざける状況とは?

(1)じっと立つ店員のアクションが生じた場合

一般的な、「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」において、お客様が遠ざけられる状況は、店頭近くや店内でじっと立つ店員のアクションが生じたときです。

この店・「ゼア」の場合も、店員が店頭近くや店内で、じっと立ってお客様を待ちかまえた場合には、「なわばり」を主張する店員のアクションとなって、お客様を遠ざけやすくなっています。

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(2)早すぎる「いらっしゃいませ」などの接客が開始された場合

また、このタイプの構造の店において、通路に面した「商品空間」にお客様が近づいて来たり、店内奥の「商品空間」にお客様が近づいて来た場合に、店員が早すぎる「いらっしゃいませ」の接客を開始すると、「なわばり」を主張する店員のアクションとなって、お客様を遠ざけてしまいます。

この店・「ゼア」の場合は特に、オリジナル性の高い商品を扱っていることと、少量の商品を陳列した店であることから、近づいて来たお客様に対して、接客の開始が早くなる傾向が見られます。

すると、やはり「なわばり」を主張する店員のアクションとなって、お客様を遠ざけてしまう様子が観察されます。

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以上が、この店・「ゼア」の、店員とお客様のアクションです。


■この店の壁面が客の行動に与える影響力とは?


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※エスカレータを降りきった通行客はこの店のガラスの壁にぶつかる。


この店「ゼア」の特徴は、店全体を通路に沿ってオープンにしていながらも、唯一、エスカレーターの乗降口の部分にガラスの壁面がつくられていることです。

3階からエスカレーターを降り切った通行客は、このガラスの壁面にぶつかって左右に分散されるかのように移動します。

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その分、店内には通路から遮断された落ち着いたスペースがつくられていますが、本来は、エスカレーターやエレベーターの利用客が降りてきた位置に店舗の出入り口を設計するのが定石です。

お客様にとっては、店の出入り口が明確につくられた店ほど、「なわばり」が解除されやすいために、実際にそのように設計した店では、大勢のお客様を引きつけることに成功しています。

実は、お客様の出入り口は、販売関係者が想像する以上に、館内にあるどの店にとっても「非常に重要なポイント」なのです。

この店・「ゼア」の場合も、エスカレーターの乗降客に対して、敢えて壁面をつくっていることが売り上げに大きな影響を与えていることが想像されます。


駅ナカ・駅ソトショップを中心に、話題のその他の店の店員と客のアクションについても、随時ご報告してまいります。

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