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2016年5月 5日 (木)

51.(18)在庫も眠る寝具店(1988年当時のさびれゆく小売店)

こんにちは。

現在では、ネットショップを利用すれば、早ければその日の内に、遅くとも明日か明後日には商品が届けられるのですが、それでも人はリアルショップで商品を購入します。

そして、そのリアルショップにも好みがあって、最近では大勢の見知らぬ人がスピーディーに行き交う場所にある「店」で買い物をすることを望んでいます。

だから「駅ナカ・駅ソト」などのことばが生まれたのです。

なぜ多くの人が、百貨店やショッピングセンターよりも、「駅ナカ・駅ソト」ショップに魅かれるのでしょうか?

そのことを知るために、かつては大勢の人で賑わった商店街の店が、なぜ衰退していったのかということを、「人の動き」という観点から再確認しようとしています。

さて、今日は、かつて、全国の商店街には、地域に密着した店として必ず存在していた「寝具店」(20回シリーズの17回目)の衰退についてご説明してまいります。

(以下の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)


(1)在庫商品で、回遊通路がなくなった店(1988年当時)

………いつの間にか古い商品が山積みになって、気がついたら身動きの取れないような店になっていた。

これが売れない寝具店の典型的なパターンです。

この店もかつては「店員空間のない引き込み・回遊型店」でしたが、今では店内の回遊通路は在庫商品でふさがれ、「店員空間の狭い引き込み型店」のような形に変形してしまっています。………

P179

(2)倉庫のような店内には見るだけの客は入れない(1988年当時)

Photo

※店員空間のない、引き込み・回遊型店

Photo_2

※店員空間が狭い引き込み型店


………店内には店員の姿もなく、まるで倉庫のようにひっそりとしています。

必要に迫られた目的型客がやってくると、やっと奥から店員が出て来て接客を始めるのです。

ふとんの訪問販売やイベント販売の登場がふとん店に打撃を与えていることも事実ですが、ふとん店の構造にも欠陥があるのです。………

(以上の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)

全国各地の商店街に陰りが見え始めると共に、商店街の「寝具店」からも徐々に客足が遠のき始めました。

「寝具店」も他の店と同じように、量販店や大型家具店にお客様を奪われていったのです。

ところが、量販店や大型家具店では、寝具のきめ細かい説明を伴った接客が行われていなかったために、商店街の空き店舗や貸し会議室で、特に高齢者を対象にした「健康食品○○即売会」などのイベント販売が行われ、高額な食品や羽毛布団を懇切丁寧に説明しながら販売する業者が次々と登場してきました。

商店街の店の濃密な接客を避けて、セルサービス方式を採用した量販店や大型店に移動していったお客様は、一方でまた、きちんとした案内や説明を受ける接客を望んでもいたのです。

そこにつけ込んで、高額な羽毛布団を売りつける悪徳業者がいくつも横行した時代がありました。

当時、馴染みの商店街の店の「常連接客」から解放されたいと強く望んだ結果、高齢者に限らず多くのお客様が、見知らぬ店員からの丁寧な接客という魅力に惹かれて、ついついだまされるというリスクを受け入れてしまったのです…。


【関連記事】

1.(1)子供が去って行った菓子店(1988年当時のさびれゆく小売店)

2.(2)味が伝わらない和菓子店(1988年当時のさびれゆく小売店)

3.(3)限られた人だけのブティック(1988年当時のさびれゆく小売店)

4.(4)過去を売り続ける衣料品店(1988年当時のさびれゆく小売店)

5.(5)流行を捨てた靴店(1988年当時のさびれゆく小売店)

6.(6)若者に人気のないカバン店(1988年当時のさびれゆく小売店)

7.(7)守り続ける宝石・貴金属店(1988年当時のさびれゆく小売店)

8.(8)セルフで買えない文房具店(1988年当時のさびれゆく小売店)

9.(9)貯蔵庫になった酒販店(1988年当時のさびれゆく小売店)

10.(10)古い体質が苦しい精米店(1988年当時のさびれゆく小売店)

11.(11)自由に選べない精肉店(1988年当時のさびれゆく小売店)

12.(12)ない魚は売れない鮮魚店(1988年当時のさびれゆく小売店)

13.(13)接客が気づまりな青果店(1988年当時のさびれゆく小売店)

14.(14)病人もはりにくい薬局・薬店(1988年当時のさびれゆく小売店)

15.(15)思い出に埋もれた玩具店(1988年当時のさびれゆく小売店)

16.(16)あかりの消えた電器店(1988年当時のさびれゆく小売店)

17.(17)過ぎた日々を写す写真店(1988年当時のさびれゆく小売店)


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