1.「見知らぬ人歓迎のメッセージ」が、店の「なわばり」を解除する
こんにちは。
店は店員の「なわばり」です。
したがって、「なわばり」を解除した店にお客様は引きつけられ、「なわばり」を主張した店にお客様は遠ざけられているのです。
その「なわばり」を解除するために、店は様々なメッセージを発信しているという観点から、具体的な店をご説明してまいります。
それでは、最初に、「なわばり」を解除するために店が発信している六つのメッセージからご説明します。
①見知らぬ人歓迎のメッセージ ②浪費は美徳のメッセージ
③返礼不要のメッセージ ④狩猟解禁のメッセージ
⑤もっともらしい理由のメッセージ ⑥性をほのめかすメッセージ
さて、以上の六つのメッセージのうち、今日は、
①見知らぬ人歓迎のメッセージ についてです。
(1)通行客の多い通路に面した店。
通行客の多い通路には、見知らぬ人が多数行き交っています。
そのために、通行客の多い通路に面した店は、それだけで「①見知らぬ人歓迎のメッセージ」を発信している店なのです。
だから、誰でもが気軽にひやかしやすい店なのです。
(2)商店街の店は、逆に「見知らぬ人お断りのメッセージ」を発信していた。
全国各地で隆盛を誇った時代の商店街の店は、地元の馴染み客を対象に商売をしてきたために、店の構造と接客方法が「常連客」向きになっていました。
「店員空間のない、引き込み・回遊型店」(酒店、乾物店、洋品店)か「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」(八百屋、魚屋)の構造をした店がほとんどで、客が来るやいなや、時候の挨拶や近所のうわさ話などをしながら、接客を開始する「常連接客」が行われていました。
だから、馴染みのお客様しかやって来なかったのです。
(3)作業中の店員のアクション。
お客様がやって来ても、お客様から声がかかるまでは接客を開始しない「一見接客」からは、「①見知らぬ人歓迎のメッセージ」が発信されます。
(4)セルフサービス方式の店。
何も買わないでも、気軽に帰ることができるセルフサービス方式の店からは、「①見知らぬ人歓迎のメッセージ」が発信されます。
(5)店員空間のある店の構造。
店員空間(レジカウンター)が明確に作られた店は、店員が店員空間(レジカウンター)の中から外には出てこないというルールを感じさせる店なので、見知らぬ客も気軽に店内を回遊できるのです。
(以上の、イラストは、「入りやすい店の秘密」・日本経済新聞社・1993年より抜粋したものです。)
以上のように、過去の店からも現在の店からも、「なわばり」を解除するために、様々なメッセージが発信されています。
店は日常の生活においてはタブーとされている(禁じられている)メッセージを解き放つ非日常の空間だからこそ、人は店に出かけて「元気」を獲得できるのです。
ネットショップがどれほど普及しようとも、リアルショップが私たちにとって不可欠な訳は、そこが大抵のことは許される「メッセージ」が飛び交う現代の「境界」だからです。
次回は、「②浪費は美徳のメッセージ」について説明いたします。
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