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2016年5月19日 (木)

3.「返礼不要のメッセージ」が、店の「なわばり」を解除する

こんにちは。

日本社会は、「贈り物をもらったら必ずお返しをしなければいけない」という暗黙のルールを基本にした贈答文化を長い間継承してきました。

今では、中元や歳暮や冠婚葬祭は年々縮小化現象を辿っていますが、現在でも、品物に限らず、相手の労力や精神的負担に対しては、それ相当のお返しをするのが当然なのだと考えられています。

現代を生きる私たちの一番の悩みが人間関係だと言われる要因は、誰もが精算することができない何らかの「貸し借り関係」に縛られているからです。

にもかかわらず、リアルショップでは、息苦しい「貸し借り仮関係」をきれいさっぱり捨て去った「見知らぬ人」となって、自由に買い物ができることを盛んに訴えています。

それは、できるだけ店の「なわばり」を解除して、大勢のお客様を引きつけるためなのです。

さて、今日は、

「③返礼不要のメッセージ」について説明いたします。

(1)貸し借り関係のない自由な関係をすすめるメッセージ

私たちには、「あの人には借りがある。いつかは返さなければならない」と感じ続ける「精神的な貸し借り関係」が存在し、お互いに貸したり借りたりしながら人間関係を成立させています。

この関係はいつまでも果てしなく続くもので、すっきりと精算してしまおうとすると「冷たい」「失礼だ」「合理的すぎる」などと言われてしまいます。

にもかかわらず、リアルショップの店員が、「どうぞお試しください」とか、「今日は特別にこれをサービスしますね」などと言って、お返しを全く期待しないサービスをお客様に提供するのは、いったいなぜなのでしょうか?

それは、店の「なわばり」を解除するための「③返礼不要のメッセージ」なのです。


Photo_7

(2)返礼を無視することをすすめるメッセージ

常連客を相手に「常連接客」をしてきたかつての店は、当然「貸し借り関係の」のルールを固く守ってきました。

古くからのお馴染みさんやたくさん買ってくれる客に対しては、おまけをしたり愛想よく振る舞うことによって、店主はその借りを返しました。

すると、今度は客が店主に借りをつくったこととなるため、その借りを返すために、客は嫌でもその店で商品を買わざるを得なくなり、なかなか自由に買い物を楽しむことができませんでした。

それに対して、現在のリアルショップの店員が、買わないことがわかっていても何着でも試着をすすめてくれたり、二度と来ないかも知れない客にスマイルをたくさん提供してくれたりするのは、いったいなぜなのでしょうか?

それは、店の「なわばり」を解除するための「③返礼不要のメッセージ」を発信するためなのです。



Photo_8


(以上の、イラストは、「入りやすい店の秘密」・日本経済新聞社・1993年より抜粋したものです。)


以上のように、リアルショップでは、「③返礼不要のメッセージ」が、たくさん発信されています。

店が店員の「なわばり」であるために、お客様は店員の「なわばり」に入って買い物をすることになります。

したがって、できるだけ大勢のお客様を引きつけるためには、何とかして「なわばり」を解除することが不可欠なのです。

店員の接客中のアクションや作業中のアクションが「なわばり」を解除することについては、何度もご報告していますが、日常のタブーを打ち破るメッセージもまた、「なわばり」を解除するために発信されているのです。

見知らぬ客となって、店員と「貸し借り関係」のない自由な人間関係を持つことを願望しているお客様にとっては、「③返礼不要のメッセージ」ほど魅力的なものはないのです。

次回は、「④狩猟採集のメッセージ」について説明いたします。


【関連記事】

1.「見知らぬ人歓迎のメッセージ」が、店の「なわばり」を解除する

2.「浪費は美徳のメッセージ」が、店の「なわばり」を解除する


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コメント

すみませんが全然わかりません。なぜ、お客様に勧めることが返礼不要のメッセージになるのですか?イラストでもお客様は「買わなきゃいけないのかな」と負担に感じ、逆効果なように見えますが

投稿: | 2016年8月12日 (金) 15時49分

ご質問にお答えします。

「買わなきゃいけないのかな」と負担に感じる……とお書きになっていますが、

見知らぬ客として見知らぬ店員からの「返礼不要のメッセージ」は、負担に感じません。
馴染みの客として馴染みの店員からの場合と比べると、比較にならないほど負担ではありません。
それよりも「返礼が不要」(タブーを破ること)であることの解放感を覚えて、「なわばり」が解除され、
結果的に購入が促進されるのです。

だからこそ、販売現場では、現在もこの手法が多く使われているのです。
イラストのお客様の表情は、「タブーが存在している」ことを表現しているものです。
私たちの多くの人がこのような感情になり→→そして直後に、タブーが破れる異空間であることを認識して→→開放的な気分になります。これこそショッピングの醍醐味なのです。

販売現場の人間関係は、家族や近所や学校や職場の人間関係とは全く異なる人間関係です。
観点を変えて頂ければ、簡単にお解りいただけると思います…。

以上。

投稿: | 2016年8月17日 (水) 11時09分

ご回答読ませていただきました。趣旨は理解したつもりですが、どうも独りよがりな印象を受けます。
自分がお客様の立場なら、避けてしまう店の特徴ですね。。
ともかく、回答ありがとうございました。

投稿: | 2016年8月25日 (木) 21時12分

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