JRミライナタワーにある「ニュウマン」の「デコールアーバンリサーチ」の店員と客のアクション
こんにちは。
さて、今日は、「JR新宿ミライナタワー」の「ニュウマン」の2階にある「デコールアーバンリサーチ」を、店員と客のアクションで観察&分析いたします。
「デコールアーバンリサーチ」は、コンテンポラリーなジュエリーやアクセサリーや雑貨のセレクトショップです。
※店舗デザインも店舗構造もユニークな店
この店は、「店員空間の狭い引き込み型店」と、「店員空間の狭い接触型店」の折衷型店舗です。
この店が、一見、非常にユニークに見えるのは、高い天井から床までのおしゃれな店舗インテリアに加えて、狭いスペースに複雑に設計された店舗構造が要因なのです。
この複雑な店舗構造と、店員とお客様のアクションには、いったいどのような関係があるのかについて、説明してまいります。
■この店がお客様を引きつける状況とは?
(1)接客中の店員のアクションが生じた場合
一般的な、「店員空間の狭い接触型店」と、「店員空間の狭い引き込み型店」において、一番お客様を引きつけるのは、接客中の店員のアクションです。
この構造の店は、たいていが狭いスペースに作られることが多く、接客中の店員のアクションによって、狭い店全体の「なわばり」が解除されるために、通行客にとっては、大変近づきやすい店となります。
さて、この店「デコールアーバンリサーチ」は、通路に面した「商品空間」を加えた、「店員空間の狭い引き込み型店」(折衷型店舗)の構造をしているために、通行客にとっては、通路に面した「商品空間」が一番ひやかしやすい「商品空間」になっています。
したがって、他の客に接客中の店員のアクションが生じると、店全体の「なわばり」が解除されるために、引き込んだ「商品空間」にもお客様が近づきやすくなり、通路に面した「商品空間」には、よりいっそうお客様が近づきやすくなります。
※「店員空間が狭い接触型店」の、接客中の店員のアクション
※「店員空間が狭い引き込み型店」の、接客中の店員のアクション
※接客中の店員のアクション(中央)がお客様を引きつける
(2)作業中の店員のアクションが生じた場合
接客中の店員のアクションと同様に、作業中の店員のアクションも典型的な客を引きつけるアクションです。
したがって、この店「デコールアーバンリサーチ」の場合も、接客をしないまでも作業中のアクションを店員が行っている場合は、「なわばり」を解除する店員のアクションとなるために、通行客にとって近づきやすい店となります。
※「店員空間が狭い接触型店」の、作業中の店員のアクション
※「店員空間が狭い引き込み型店」の、作業中の店員のアクション
(3)サクラパワーが生じた場合
店内が見渡せる構造の店の場合は、一人目の客がサクラパワーとなって次々と客を引きつける「サクラパワー現象」が生じると、店の「なわばり」はいっそう解除されて、通行客を引きつけます。
この店「デコールアーバンリサーチ」の場合も、次々とお客様が引きつけられる「サクラパワー現象」を観察することができます。
※「店員空間が狭い接触型店」のサクラパワー現象
※「店員空間が狭い引き込み型店」のサクラパワー現象
※商品をながめているお客様の姿は、サクラパワーを発揮して、他のお客様を引きつけます。
■この店が客を遠ざける状況とは?
一般的には、「店員空間の狭い接触型店」と「店員空間が狭い引き込み型店」は、客を遠ざける店員のアクションが生じやすい店の構造なのです。
なぜならば、これらの店は「なわばり」を主張する店員のアクションが生じやすい店の構造だからです。
この店「デコールアーバンリサーチ」の場合も、客を遠ざける店員のアクションが生じやすい店舗設計となっています。
(1)じっと立つ店員のアクションが生じた場合
※「店員空間が狭い接触型店」の店員空間で、じっと立つ店員のアクション
※「店員空間が狭い接触型店」の店頭で、じっと立つ店員のアクション
※「店員空間が狭い引き込み型店」の店員空間で、じっと立つ店員のアクション
※「店員空間が狭い引き込み型店」の店頭近くで、じっと立つ店員のアクション
(2)早すぎる「いらっしゃいませ」などの接客が開始された場合
※「店員空間が狭い接触型店」の、「いらっしゃいませ!」の店員のアクション
※「店員空間が狭い引き込み型店」の、「いらっしゃいませ!」の店員のアクション
※「商品空間」、「客空間」、「店員空間」の三空間設計の仕方によって、店員のアクションが左右されてしまうのです。
以上のように、この店「デコールアーバンリサーチ」においては、意外にも、他の店に比べて非常にたくさんの店員と客のアクションが生じています。
それらのアクションをまとめますと、
①接客中の店員のアクション②作業中の店員のアクション③サクラパワー現象を生み出す客のアクションが生じた場合には、通行客を引きつけています。
また、反対に、
①じっと立つ店員のアクション②早すぎる「いらっしゃいませ!」の店員のアクションが生じた場合には、通行客を遠ざけています。
以上のアクションが生じる一番の要因は、この店のスペースが狭いにもかかわらず、二つのタイプの店の構造を併せ持っているからなのです。
そのために、「店員空間の狭い接触型店」と「店員空間の狭い引き込み型店」の両方の店で生じる、「客を引きつける店員のアクション」と「客を遠ざける店員のアクション」が生じているのです。
そしてこの店の重要なポイントは、これら二つのアクションのうち、「客を遠ざける店員のアクション」が、よりいっそう生じやすい店の構造となっていることなのです。
したがって、この店「デコールアーバンリサーチ」は、客が客を引きつける「サクラパワー」をいかにして生じやすくするかが、通行客の少ない時間帯の大きな課題と言えるでしょう。
その他の店の店員と客のアクションについても、随時ご報告してまいります。
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