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2016年5月11日 (水)

JR新宿ミライナタワーにある「ニュウマン」の「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」の店員と客のアクション

こんにちは。

今一番元気のいいリアルショップは、「駅ナカ・駅ソト」ショップです。

さて、今日は、「JR新宿ミライナタワー」にある駅ソト・「ニュウマン」の中に、一店だけ出店している洋菓子店「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」の店員と客のアクションを観察・分析してみたいと思います。


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この店「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」は、「ニュウマン」の2Fの入り口を入った直ぐ右側に、一店だけの洋菓子店として出店し、ショコラをはじめマカロンやケーキも販売しています。

この店は、一見、「店員空間の狭い接触型店」の構造に見えますが、実は、その「店員空間の狭い接触型店」に近い、「店員空間の狭い引き込み型店」の店舗構造を設計している所が大きなポイントです。

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※店員空間が狭い引き込み型店       ※店員空間が狭い接触型店


「店員空間が狭い引き込み型店」は、商品空間を店内に引き込み、店員はその商品空間を挟んでお客様に対して接客を行う、いわゆる対面販売の店の構造です。

この構造をした店では、店舗の構造の特徴から、店員が意識をしないでいると、「客を遠ざける店員のアクション」が生じやすいのが特徴です。

(1)狭い店員空間にじっと立ってお客様を待ち構える店員と、通路を行き交うお客様との距離は、「店員空間が狭い接触型店」ほどは近くありませんが、お客様は、店内の客空間には気軽に入っていくことができないために、なかなか商品空間までにはたどり着けません。


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※店員空間でじっと立って待ち構える。


(2)せっかくお客様のために設けた客空間に出てじっと立ってお客様を待ちかまえると、典型的な「なわばり」を主張する店員のアクションとなって、お客様を遠ざけてしまいます。


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※客空間に出てじっと立って待ち構える。


(3)お客様が入ってくるや否や、直ぐに「いらっしゃいませ!」と声をかけることによって、お客様を遠ざけてしまいます。
店内に入って来たお客様は、必ずしも購入することを目的にしているわけではないからです。

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※早すぎる「いらっしゃいませ」。


ところが、この店「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」は、「店員空間の狭い引き込み型店」を設計し、しかも右側の壁面はショーケースの位置までにとどめることによって、客空間と通路の境界線をあいまいにしています。

そのために、「店員空間の狭い引き込み型店」であるにもかかわらず、一見、通路の前面にまで商品空間を押し出した「店員空間の狭い接触型店」のような店が出来上がっているのです。

このことが、この店舗構造特有の「客を遠ざける店員のアクション」を極力少なくし、反対に「客を引きつける店員のアクション」を引き起こしやすくしているのです。

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※ショーケースの前の「客空間」は、通路とは違った素材の白いスペースとなっている。


この店の左側にはエスカレーターがあり、すぐ右側が、JR新宿駅のミライナタワー改札と甲州街道に直結した、メインの出入り口となっています。

そのために、開店から閉店までの間、最も通行量の多い位置に立地しています。

「ニュウマン」を出入りする大勢のお客様がこの店の「客空間」をショートカットして行き交いますが、そのこともこの店に「客を引きつける店員のアクション」や「客を引きつける客のアクション」(サクラパワー現象)を引き起こす要因になっています。

(1)通行客からは、接客中の店員のアクションがこのイラストよりもはるかによく見えるために、「接客中の店員のアクション」が「なわばり」を解除する店員のアクションとなって、より効果的に他のお客様を引きつけます。

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(2)注文中の客やひやかし客が途絶えた場合に、店員が「じっと立って待ち構える」アクションを行う時もありますが、たいていは何らかの作業中のアクションを行っているために、客は気軽に商品空間に近づくことができます。

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※作業中の店員のアクション

(3)なんといっても、この店の一番の武器は、店舗の立地と、店舗構造の特徴から、客空間に「サクラパワー現象」が生じやすいことです。
「サクラパワー現象」は、お客様自身が生み出してくれるものだけに、店側が何の努力もすることなく、大勢のお客様を引きつけて相乗効果を生み出してくれるのです。

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※一人目のお客様は、二人目のお客様を引きつける「サクラパワー」となります。


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※店の構造と好立地が、絶えず「サクラパワー現象」を引き起こす。


この店が「ニュウマン」のファッションゾーンの中の一店だけの洋菓子店でありながら、しかも出入口という特徴的な立地にありながらも、大勢のお客様を引きつけている要因は、「客を引きつける店員のアクション」と「客を引きつける客のアクション」が生じやすい、三空間店舗設計の成功にあります。

店は店員の「なわばり」です。

その「なわばり」をうまく解除した店に、通行客は引きつけられます。

この店の「商品空間」の商品そのものも確かに魅力がありますが、それ以上に「なわばり」が解除された「客空間」の魅力こそが、大勢のお客様を引きつけているのです。


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