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2016年5月13日 (金)

JR新宿ミライナタワーにある「ニュウマン」の「メゾンキツネ」の店員と客のアクション

こんにちは。

さて、今日は、「JR新宿ミライナタワー」の「ニュウマン」のM2階にあるファッション店「MAISON KITSUNE・メゾンキツネ」の店員と客のアクションをご説明いたします。

この店「メゾンキツネ」は、人気の男女のブランドファッション&グッズを販売しています。

広い間口(約8m)と広々とした店内が特徴で、他の店と全く違った雰囲気を醸し出しています。


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※「店員空間のない、引き込み、回遊型店」


この店は、セルフ販売方式ではないので、「店員空間のない、引き込み・回遊型店」に分類されます。

店内に引き込んだ商品空間店のほとんどは店の奥に配置され、中央にはほんの少しの商品空間が設計されています。

したがって、店内全体が客空間となっていて、明確な回遊通路はありません。

この特徴がある「店員空間のない、引き込み・回遊型店」の店舗構造からは、いったいどのような店員とお客様のアクションが生み出されているのでしょうか?

■一般的な「店員空間のない、引き込み・回遊型店」で生じやすい、客を遠ざける店員のアクションとは?

(1)店内でじっと立って待ち構える店員のアクション

このタイプの店では、店内の「客空間」は「店員空間」とも重なっているために、店員がじっと立ってお客様を待ちかまえると、「なわばり」を主張する店員のアクションとなって、お客様を遠ざけてしまいます。

この「メゾンキツネ」の場合では、店員がじっと立って待ち構えると、その姿をさえぎる商品空間や什器などが非常に少ないために、より強い「なわばり」主張のアクションとなってしまいます。

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(2)店頭や通路にじっと立って待ち構える店員のアクション

このタイプの店では、店員が店頭や通路にじっと立って待ち構えるアクションが生じやすくなりますが、店内よりもいっそう「なわばり」を主張する店員のアクションとなってしまい、店内をひやかして歩きたい通行客は、大変入りにくい店となってしまいます。

この「メゾンキツネ」店の場合は、非常に広い客空間(店員空間と共有)が設計されているために、店員が店頭や通路にまで出てじっと立って待ち構えるようなアクションは見られません。

しかし、全く死角のない店内は、通行客から直ぐに見渡せるために、たとえ店員が店の奥にじっと立っていたとしても、ほとんど店頭にじっと立っている場合と同じように、強い「なわばり」主張を感じさせてしまいます。


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(3)早すぎる接客を開始する店員のアクション

このタイプの店では、やって来たお客様に対して、早すぎる「いらっしゃいませ」などの接客が開始されるのが特徴です。

この「メゾンキツネ」の場合は、店の一番奥にある商品空間までの距離が長いために、まだよく商品をながめていない内に、客空間で待機している店員から接客を開始されてします。

したがって、特にひやかし客にとっては、「なわばり」を主張する店員のアクションが強いプレッシャーとなって、店内に長く踏み止まることができません。


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※ひやかし客にとっては、店員の存在が気になりやすい店の構造。

■一般的な「店員空間のない、引き込み・回遊型店」で生じやすい、客を引きつける店員のアクションとは?

(1)接客中の店員のアクション

このタイプの構造の店であっても、接客中の店員のアクションが生じた場合には、「なわばり」を解除する店員のアクションとなって、強力に通行客を引きつけることになります。

この「メゾンキツネ」の客空間は大変広く、しかも通行客からの見通しが良いために、接客中の店員のアクションが生じた場合には、より強力な「なわばり」解除のアクションとなって、一転して入りやすい客空間に変わります。


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(2)作業中の店員のアクション

このタイプの店では、接客中のアクションと共に、作業中の店員のアクションも、「なわばり」を解除する店員のアクションとなって、通行客を引きつけます。

この「メゾン キツネ」でも、店員が絶えず何らかの作業中のアクションを続けていますが、店員の視線をさえぎるための商品や什器が非常に少ないために、同じタイプの他の店の作業中の店員のアクションほどは、「なわばり」を解除した店員のアクションとはなっていません。

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■一般的な「店員空間のない、引き込み・回遊型店」で生じやすい、客を引きつける客のアクションとは?

客を引きつける客のアクションとは「サクラパワー現象」のことです。

このタイプの店でサクラパワー現象が生じた場合には、強力な「なわばり」を解除した店となって、次々と通行客を引きつけます。

この「メゾンキツネ」の場合も、通行客が特に多い曜日や時間帯には、「サクラパワー現象」が生じて、ひやかし客にとって非常に入りやすい店となることも事実です。


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※サクラパワーが生じると、入りやすい客空間になる。

さて、入りやすい店とは、入り口が広い店のことでは、決してありません。

なぜならば、入り口が狭い店でも入りやす店はたくさん存在しているからです。

つまり、ほとんどのお客様は、店頭の商品空間のイメージから、「なわばり」主張を感じる店を「入りにくい店」だと感じ、「なわばり」解除を感じる店を「入りやすい店」だと感じているのです。

そのために、実は、店頭の商品空間の作り方が、通行客を店内に引きつけるか遠ざけるかを大きく左右しているのです。

この「メゾンキツネ」の広くてオープンな間口は、通行客がより入りやすいことを想定して設計されているわけではないと思います。

商品コンセプトに対応した店舗デザインの一環として、広い出入口と客空間が設計されているのだと思います。

ただ、「駅ソト」という移動空間に立地した「ニュウマン」の館内を回遊する大勢の通行客を、どのようにして店頭に引きつけ、どのように店内を回遊させたり滞留させたりする計画が準備された店であるかについては、「人の動き」という観点より、今後も観察を続けていきたいと思います。


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