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2016年4月23日 (土)

46.(13)接客が気づまりな青果店(1988年当時のさびれゆく小売店)

こんにちは。

かつての商店街の店と、商店街の最大の競合店として登場してきたスーパーマーケットの一番の違いは、「接客方法」です。

商店街の店の接客が、お客様から注文を受ける前から接客を開始する「常連接客」であったのに対して、スーパーマーケットの接客は、お客様から注文を受けた後から接客を開始する「一見接客」でした。

つまり、スーパーマーケットの登場は、店員の存在を全く気にすることなく、自由に商品を選んで買い物ができるセルフサービス方式を採用した店の登場だったのです。

このようなセルフサービス方式のスーパーマーケットの店が次第に普及して行った頃には、ほとんどのお客様は、自分が店で店員の存在が非常に気になるように、他のお客様もまた同じように店員の存在が非常に気になっているとは思えませんでした。

大抵のお客様は、自分の神経質な性格が原因で、店員を気にしているのだと思い込んでいたのです。

さて、今日は、約30年前の1988年当時の商店街の「青果店」についてご説明いたします。

(以下の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)


(1)商店街全盛時代には、店主と客は濃密な人間関係でした(1988年当時)

………町の八百屋さんの典型的な構造は、「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」です。

Photo※「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」

店員は常に店頭に出ていて、客が来ればあれこれ相手をしながら、商品を選んだり、計ったり、包んだり、つり銭を渡したりといったような昔ながらの売り方を展開します。

店員とのやりとりを楽しみにしている客もたくさんいました。(1988年当時)………

P174

(2)スーパーのセルフサービス方式の魅力には、勝てませんでした(1988年当時)

……ところがスーパーの登場は野菜や果物の全く新しい売り方を提案してきました。

Photo_2※「店員空間のある、引き込み・回遊型店」



ひとりでも気軽に好きなだけ商品をひやかすことができ、途中で思い直して商品を取りかえることさえできるセルフ方式は、やはり多くの客の心をとらえました。

町の八百屋さんは今ではひやかしにくい店なのです。(1988年当時)………

(以上の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)


ここでご紹介した「青果店(八百屋)」は、1988年当時の日本の商店街に存在していた典型的な「青果店」です。

そこからさらに約35年さかのぼった1953年(昭和28年)に、日本で初めての食品スーパー「青山紀ノ国屋」が東京北青山に登場しました。

この店が日本で初めてセルフサービス方式を採用した食品スーパーマーケットです。

当初は、在日アメリカ人を対象に、「客が商品を選んでレジまで運ぶことで効率をアップする」のがねらいで、アメリカのセルフサービス方式が取り入れられたのです。

しかし、その後しばらくして、日本では全く違う解釈で、セルフサービス方式の食品スーパーが全国各地に普及していきました。

当時の人たちは、「買わないで見るだけでも許される店の登場」として、セルフサービス方式の食品スーパーを受け入れたのです。

セルフサービス方式の店で、客は初めて、自由に見たり選んだり触ったりしても、気に入らなければ買わなくてもよいという、従来までの店では許されなかった自由なアクションを獲得することになりました。

こうして、スーパーマーケットが全国に普及して初めて、多くのお客様が、従来の商店街の店では、自分だけではなく他のお客様も、店員の存在を気にしながら買い物をしていたのだということに気がつくこととなったのです…。


【関連記事】

1.(1)子供が去って行った菓子店(1988年当時のさびれゆく小売店)

2.(2)味が伝わらない和菓子店(1988年当時のさびれゆく小売店)

3.(3)限られた人だけのブティック(1988年当時のさびれゆく小売店)

4.(4)過去を売り続ける衣料品店(1988年当時のさびれゆく小売店)

5.(5)流行を捨てた靴店(1988年当時のさびれゆく小売店)

6.(6)若者に人気のないカバン店(1988年当時のさびれゆく小売店)

7.(7)守り続ける宝石・貴金属店(1988年当時のさびれゆく小売店)

8.セルフで買えない文房具店(1988年当時のさびれゆく小売店)

9.(9)貯蔵庫になった酒販店(1988年当時のさびれゆく小売店)

10.(10)古い体質が苦しい精米店(1988年当時のさびれゆく小売店)

11.(11)自由に選べない精肉店(1988年当時のさびれゆく小売店)

12.(12)ない魚は売れない鮮魚店(1988年当時のさびれゆく小売店)


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