« JR新宿南口「ニュウマン」の飲食店は、「移動空間=道」にできた飲食店。 | トップページ | 9.「接近」の店員の動きが、お客様に与えるイメージとは? »

2016年4月21日 (木)

45.(12)ない魚は売れない鮮魚店(1988年当時のさびれゆく小売店)

こんにちは。

商店街はなぜ衰退していったのか?について答えることは、現在の人気の商業集積を理解し、売れる店づくりのためには、この上ない参考となります。

今人気の駅ナカ・駅ソトショップをさかのぼってゆけば、必ず商店街の店にたどり着きます。

店が発生し、時代とともに様々に構造や売り方を変えて、一時期、「商店街の店」という構造と売り方をしていた店が消滅していき、やがてネットショップが急激に普及していくとともに、従来の店とは全く異なる場所に登場してきたリアルショップ(店)が「駅ナカ・駅ソトショップ」です。

なぜ店は、商店街を抜け出して駅ナカ・駅ソトに登場してきたのでしょうか?

いったいどのような役割を担って登場してきたのでしょうか?

そのことを知るために、少しだけ遠回りをして、確かに約30年前は存在して大勢のお客様で賑わった商店街の店を「人の動き」という観点から振り返ってみましょう。

さて、今日は、約30年前の1988年当時の商店街には必ずあった「鮮魚店」についてご説明いたします。

(以下の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)

(1)商品空間のパワーが時間の経過とともに低下することがこの店の欠点(1988年当時)

………鮮度が命の鮮魚店では、売り切れじまいが常識になっています。(1988年当時)

上段のイラストのように魚をじかに店頭に並べているタイプの「店員空間が狭い接触型店」では、商品量の多い店開きの時商品空間のパワーが最も強いのですが商品が売れていくにつれてパワーが低下してしまいます。

いくら通行量が多くても、商品がなければ売れません。………

P173

(2)商品管理を優先し過ぎると、ひやかし安全信号が少なくなる(1988年当時)

………商品パワーを維持するために下段のように大型冷凍ケースに入れて販売すると、こんどは先ほどの陳列よりも商品空間の魅力が落ちてしまうのです。

大量陳列、大量販売の可能なスーパーマーケットがひやかし安全信号の強い商品空間を
提供したため、町の鮮魚店は苦しい状況です。(1988年当時)………

(以上の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)


家族経営が基本の商店街の店の場合、鮮魚店も当然店舗規模が限定されています。

その限られた規模の店で新鮮な魚を販売するには、できるだけ早い時間に完売するような商品量にならざるを得ないために、閉店間際まで大量の魚を新鮮に保って販売することはできません。

それを解決しようとして、商品の鮮度を保つために冷凍・冷蔵ケースを使った販売方法にすると、「なわばり」主張が強くなり、ひやかし安全信号が少ない商品空間となってしまいます。

それでも、毎日店頭に並ぶ新鮮な商品が、長年、商店街の鮮魚店を魅力的な空間にしてきたのです。

しかし、一方で、毎日買い物をするお客様と店の店主は、濃密な人間関係にならざるを得なかったために、お客様にとって鮮魚店での買い物は、内心、ストレスのかかるものでもあったのです。

そのため、「セルフサービス方式」と「見知らぬ店員」と「閉店間際まで大量の商品が並ぶ商品空間」を併せ持つスーパーマーケットの登場は、商店街の鮮魚店にとっては非常に強力なライバルとなっていきました。

ほとんどのお客様は、毎日入荷する新鮮な商品を望むように、毎日見知らぬ店員のいる店で買い物がしたいのです。

残念ながら、商店街の鮮魚店は、そもそも営業を開始した時から、「見知らぬ店員」だけはどうしても提供することができないサービスだったのです…。


【関連記事】

1.(1)子供が去って行った菓子店(1988年当時のさびれゆく小売店)

2.(2)味が伝わらない和菓子店(1988年当時のさびれゆく小売店)

3.(3)限られた人だけのブティック(1988年当時のさびれゆく小売店)

4.(4)過去を売り続ける衣料品店(1988年当時のさびれゆく小売店)

5.(5)流行を捨てた靴店(1988年当時のさびれゆく小売店)

6.(6)若者に人気のないカバン店(1988年当時のさびれゆく小売店)

7.(7)守り続ける宝石・貴金属店(1988年当時のさびれゆく小売店)

8.セルフで買えない文房具店(1988年当時のさびれゆく小売店)

9.(9)貯蔵庫になった酒販店(1988年当時のさびれゆく小売店)

10.(10)古い体質が苦しい精米店(1988年当時のさびれゆく小売店)

11.(11)自由に選べない精肉店(1988年当時のさびれゆく小売店)


この星座の場所を、
応援クリック
お願いいたします。


人気ブログランキングへ

|

« JR新宿南口「ニュウマン」の飲食店は、「移動空間=道」にできた飲食店。 | トップページ | 9.「接近」の店員の動きが、お客様に与えるイメージとは? »

◆続・入りやすい店売れる店」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 45.(12)ない魚は売れない鮮魚店(1988年当時のさびれゆく小売店):

« JR新宿南口「ニュウマン」の飲食店は、「移動空間=道」にできた飲食店。 | トップページ | 9.「接近」の店員の動きが、お客様に与えるイメージとは? »