新宿駅「ルミネエスト」と「ニュウマン」の店員のアクションはなぜ違うのか?
こんにちは。
JR新宿駅の「駅ソト・駅ナカ」ショップを「人の動き」という観点からレポートしています。
さて、今日は、新宿駅東口にある「ルミネエスト」と、ちょうど一か月前(3月25日)にオープンした「ニュウマン」との店員のアクションの違いについて説明いたします。
実は、両者の店員のアクションには非常に大きな違いが見られます。
「ルミネエスト」は10代のピュアヤングをターゲットとし、それに対して「ニュウマン」は30代~40代のより洗練された女性をターゲット(流通ニュースより)としているために、店員のアクションが大きく異なっているのでしょうか?
両者の移動空間としての立地は、世界一の乗降客を誇る新宿駅の東口にある「ルミネエスト」が、新しくできた南口にある「ニュウマン」に比べて遙かに有利であることは明らかですが、「ニュウマン」は新しくできた高速バスやタクシーのターミナル「バスタ新宿」に隣接していることからも、「移動空間」(道)としての性質は全く同じと言えます。
東口には主に10代のピュアヤングな女性が、そして南口には主に30代~40代のより洗練された女性が移動しているなどということはあり得ないからです。
つまり、「移動空間」(道)として全く同じ状況にある、二つの商業集積の店員のアクションが大きく異なっているのです。
(1)ルミネエスト(新宿駅・東口)の店員のアクション
※ルミネエスト(通路に出て接触部分の商品空間の作業を行う店員のアクション)
※ルミネエスト(通路に出て通行客に声をかける店員のアクション)
※ルミネエスト(絶えず店内の移動を繰り返す店員のアクション)
※ルミネエスト(通路に出て商品の陳列を直す店員のアクション)
「ルミネエスト」では、「ニュウマン」に比べて、非常にたくさんの店員のアクションを観察することができます。
ここでは、「いらっしゃいませ、こんにちは」「どうぞお試しくださいませ」などの言葉をかけながら、商品の陳列を直したり、商品の位置を移動したり、商品をたたみ直したりする店員のアクションが繰り返されています。
このような店員のアクションは、店側がスタッフに十分に指導していることから生じているものですが、実は、ほとんどの店が「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」の店舗構造をしていることも、大きな要因となっているのです。
つまり、外の通路に接した「商品空間」があるために、店員が自然と店頭や外の通路で、接客や作業をすることが多くなるからです。←店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店
それだけでも、店員のアクションが目立つうえに、店内に活気を生み出すことを目的として店内の回遊通路をぐるぐると動き回る店員のアクションが、近年、流行しているからです。
しかし、店内を動き回る店員のアクションは、必ずしも「なわばり」を解除して、通行客を引きつける、店員の「作業中のアクション」となるわけではありません。
なぜならば、お客様からすると、店員に直ぐに近づかれたり、声をかけられたりする機会が多くなるために、逆に店員が「なわばり」を主張していると感じられる危険性があり、通行客を遠ざける店員のアクションにもなってしまうからです。
(2)ニュウマン(新宿駅・南口)の店員のアクション
※ニュウマン(商品が店内に引き込まれているために、通路には店員のアクションはほとんど存在しない)
※ニュウマン(通路は移動中の客の姿だけとなっている)
※ニュウマン(通路には店員のアクションはないが、店内は店員の存在が直ぐにわかる状況となっている)
一方、「ニュウマン」は、「ルミネエスト」に比べて、非常に少ない店員のアクションとなっています。
通路に出て接客をしたり作業をしたりしている店員のアクションはほとんど見られません。
「ニュウマン」の1F~4Fの約46店舗の物販店は、ほぼ「店員空間のない、引き込み・回遊型店」の構造をした店となっています。 ←店員空間のない、引き込み・回遊型店
ごく一部の「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」の構造をした店では、店員のアクションが比較的多く観察できますが、大抵の店の店員は店内で接客中か作業中か、じっと立ってお客様を待っています。
「ルミネエスト」の、店内外を動き回る店員のアクションは、時には「なわばり」を主張してお客様を遠ざける店員のアクションになることはすでに説明しましたが、一方で、「ニュウマン」の店内で待機する店員は、お客様が店に入って来た場合には早い接客になりやすいために、「なわばり」を主張してお客様を遠ざける店員のアクションとなってしまいます。
今、「駅ソト・駅ナカ」ショップがもっとも注目を集める商業集積となっていますが、「移動空間」(道)」に生まれた店としては、どのような「店舗構造」が最もふさわしいのか?、どのような接客方法がピッタリしているのか?などについては、多くの様々な関係者たちの間で、まだまだ模索中なのだと感じられます。
ただ、かつて、「店」が、見知らぬ人が大勢行き交う「道」に発生してきたことと、「店」は店員の「なわばり」であることと、万人が「店」に行って「元気になりたい!」と渇望していることだけは、誰もが無視することができない事実なのです…。
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