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2016年3月13日 (日)

27.コンビエンスストアが客のニーズに応えたもの(1988年当時)

こんにちは。

今日は、約30年前の商店街に進出してきたコンビエンスストアのお話です。

1970年代前半に初めて登場してきたコンビニエンスストアは、約30年前の当時においては、まだまだ身近な存在の店ではありませんでした。

商店街の店主の皆様との勉強会で、今後はコンビニエンスストアのような「セルフサービス方式の店」がどんどんと登場してくることをご説明しても、ほとんどの店主の皆様は、なかなかその現実を受け入れることができない状況でした。

日本各地の商店街が衰退していく中で、入れ替わるようにコンビエンスストアが台頭してきた要因を、「人の動き」と「店舗構造」という観点で改めて観察してみたいと思います。

(以下の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)


(1)近所の客を対象に、「常連接客」を行うための商店街の店の構造。(1988年当時)

…コンビニエンスストアが登場する以前、コンビニエンスストアにあたる店は下のイラストのような形態をしていました。店の奥が店主の住居になっており、店頭の土間に商品が並べられているような店です。

これは、店員空間が不明確で不完全な「引き込み・回遊型店」か「接触・引き込み・回遊型店」です。

そこでは店員が店にいない時もあれば、店員が店の中でじっと客が来るのを待ち構えていることもあります。………

P140_6



(2)見知らぬ客を対象に、「一見接客」を行うための店の構造。(1988年当時)

………これに対してコンビニエンスストアは、「店員空間のある、引き込み・回遊型店」です。

P141_2


………はっきりした店員空間には常に店員がおり、接客のシステムもはっきりしています。


商品量が多くひやかし安全信号に満ちた商品空間とサクラパワーの起こりやすい客空間を持ったこの店は、客が気軽に立ち寄りひやかすことのできる構造によって大勢の客に支持されたのです。………

(以上の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)


1970年代の前半に登場してきたコンビニエンスストアは、衰退を続けていた日本各地の商店街の店を凌駕しつつ、またたく間に全国に普及していきました。

商店街が衰退していった要因や、コンビニエンスストアが急激に普及してきた要因については、かつて指南者の数だけ諸説が語られてきましたが、「人の動き」という観点から観察分析する限りにおいては、「常連接客」の商店街の店からお客様が遠ざかり、「一見接客」のコンビエンスストアにお客様が引きつけられていったのです。

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常連接客」を行う商店街の店は、店本来の性質を埋め込んでしまったため魅力に欠けていましたが、、しばしの期間、日本各地に商品を普及させるという大きな役割を果たしたと言えるでしょう。

やがて、「常連接客」という濃密で息苦しい人間関係から離れて、希薄で見知らぬ関係が基本となる「一見接客」を行う店で買い物がしたいという、お客様のニーズの大きなうねりに応えるかのように、コンビニエンスストアが登場して来て、日本中に「一見接客」の店(セルフサービス方式)が普及していったのです。

そして、ありとあらゆる業種の店がコンビニエンスストアと同じ「セルフサービス方式」の店の構造と接客(一見接客)を採用し、日本中に進出していったのです。

しかし、「セルフサービス方式」の店もまた、決して店本来の性質を持ち合わせたものではなかったために、近年では、店本来の性質を取り戻した新しい店への脱皮が迫られてきているのです。


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