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2016年3月26日 (土)

36.(3)限られた人だけのブティック(1988年当時のさびれゆく小売店)

こんにちは。

『商店街の店が衰退していった要因を知ることは、今大勢のお客様がなぜ駅ナカ・駅ソトの店に引きつけられるのかを知ることにつながります』

1973年に制定された大規模小売店舗法(大店法)に守られながらも、全国の商店街には、年々、衰退の影が忍び寄っていました。

そして、全国の商店街は、1991年の大店法改正によって、近くに進出してきた大型店によって大打撃を受けると、急速にシャッター商店街への道を辿っていったのです。

大店法改正の足音が聞こえる約30年前・1988年当時の、商店街のブティックの様子についてご説明いたします。

(以下の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)


(1)中の様子が分からないので気軽にははいれないファッションの店(1988年当時)

………下のイラストの店は、外からでは店内の様子が全く分からない「店員空間のない、引き込み・回遊型店」のブティックです。


Photo_5※店員空間のない、引き込み・回遊型店


ショーウインドーをながめてみてもさっぱり中の見当がつかないので、フリー客は怖くて中へはいれません。

こういう店は、まるで会員制のクラブかなにかのような閉鎖的なイメージを与えるのです。………

P164

………ところが、このような店の店主でも、もっと客数を増やしたいとか、ひやかし客にも来てもらいたいという希望を持っていることがあります。

店主の考え方と店づくりがうまくかみあっていないのです。

店の構造が通行客に与えるメッセージは大変強力なので、扱い商品や売り方とあわせて十分に検討する必要があるのです。………

(以上の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)


イラストで紹介されたような「店員空間のない、引き込み・回遊型店」のブティックは、どこの商店街でも必ず見られました。

そして、商店街のブティックは、レディースファッションのブランド商品やセレクト商品を扱う店で、地元女性住民のファッションリーダー的な存在でした。

また、このような店のほとんどの店主は、お客様に対して非常に接客が上手な、典型的な「達人店員」でした。

1_3
※「達人店員」は、お客様が注文をする前から接客を開始する「常連接客」が得意。

したがって、ファッションセンスの良い店主が、得意の接客技術を駆使して、手八丁口八丁で、馴染みのお客様に流行のファッションを提供してきたのです。

女性のお客様にとって、接客上手な「達人店員」から、ていねいな案内や説明を聞きながら自分にピッタリのファッションを選んだり購入したりすることは、大変大きな楽しみの一つですが、店員との会話が苦手なお客様や買わずに見るだけのお客様にとっては、非常にプレッシャーの強い接客方法でもありました。

そのために、「常連客」(馴染み客)にとっては、全くはいりにくさが感じられないこの店も、「一見客」(ひやかし客)にとっては、店員の「なわばり」主張が強く感じられて、気軽にドアを開けて店内にはいって行くことはできませんでした。

様々な要因で、移動客が少なくなってしまった商店街のブティックは、新しいお客様をなかなか増やせられないままに苦戦を強いられてきたのです。



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