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2016年3月17日 (木)

29.アメヤ横丁は客の心をかきたてる(1988年当時)

こんにちは。

下のイラストは、毎年、年末を迎えると、正月用の生鮮食品などを買い求める大勢の客でごった返す様子がTVの報道番組やワイドショーで年の瀬の風物詩として紹介される、通称「アメヤ横丁」(正式名・アメ横商店街連合会)の約30年前(1988年当時)の様子です。

アーケードもなく、店の構造も売り方も変わらないこの商店街に、大勢のお客様が引きつけられる要因と、現在の繁盛店が大勢のお客様を引きつける要因は、全く変わらないことをご説明したいと思います。

(以下の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)


(1)アメヤ横丁の活気は、そこに集まる店の構造から生まれている(1988年当時)

……狭い通りの両側にびっしりと店が立ち並び店員の威勢の良い掛け声がとびかう中を、人波に流されながらあれこれひやかして歩く。私たちは客としてこんな状況に強く心をひかれます。………

………アメヤ横丁は商品空間が大きい「店員空間が狭い接触型店」と「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」の集合体です。

店舗は箱の上に戸板を並べたようなきわめて原始的なものですが、とにかく大量の商品をこれでもかこれでもかと並べることによって、れっきとした販売現場を創造しているのです。
………

Photo_7


(2)客は、「なわばり」が解除された「商品空間」と店員のアクションに強くひかれる。

………店員はここではさかんに客寄せ踊りや客寄せ音頭を展開して、前を通る客を立ち止まらせようとします。………

………豊富な商品空間がひやかし安全信号を出しているので、客は自由に商品のそばに近づいたり離れたりします。

客は、ふだん、他の店で十分にひやかせなかった商品を身近で見ることのできる、このなわばり解除された商店街に強い魅力を感じるのです。………

(以上の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)


アメヤ横丁商店街を構成する店の構造は、「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」と、「店員空間の狭い接触型店」です。

この構造の店は、ひやかし客や購入客が少ない場合は、店員の「なわばり」主張のアクションが目立って、ひやかしにくく入りにくい店となりがちですが、通行客でごった返すような場合には、店員のアクションは接客中か作業中の「なわばり」解除のアクションとなるために、通行客を次々と引きつけます。

また、「なわばり」が解除された「戸板一枚」に近い状態の「商品空間」は、ひやかし安全信号を強力に発信して、ひやかし客を引きつけます。

その姿が、「サクラパワー」となって、更に次々とひやかし客を引きつけていくことになるのです。

現在、交通インフラ周辺の移動空間(駅チカ・駅ナカ)には、この商店街と同じ構造と接客方法の店が次々と登場して来ては多くのお客様を引きつけています。

Photo_3
※移動客が大勢行き交う通路に面した「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」の店で、「なわばり」を解除したアクションを行う店員のいる店にお客様が引きつけられている。

いつの時代にも、「なわばり」が解除された「戸板一枚」のスペースを基本とした「商品空間」を持つ店が、大勢のお客様を引きつけては、繁盛店を生み出しているのです。



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