« 33.規模で勝負の郊外型店舗(1988年当時) | トップページ | 35.(2)味が伝わらない和菓子店(1988年当時のさびれゆく小売店) »

2016年3月24日 (木)

34.(1)子供が去って行った菓子店(1988年当時のさびれゆく小売店)

こんにちは。

全国の商店街数は、最も多かった1982年をピークに、減少の一途をたどってきました。

それでは全国の商店街はなぜ衰退していったのでしょうか?

実は、一番わかりやすい「たった一つ」の要因によって衰退を余儀なくされたのです。

それは、従来まで利用してきたお客様が、商店街の店から去って行ったことなのです。

お客様は、それまで何とか我慢して買い物をしてきた「常連接客」を行う「商店街の店」を捨てて、「一見接客」を行う「新しい店」に、雪崩を打って引きつけられていきました。

つまり、お客様は、「商店街の店」の「常連接客」が嫌で嫌で仕方がなかったのです。

なぜ、それほどまでに「嫌」だったのか?

なぜ、それほどまでに「嫌」な要因に対処することができなかったのか?

その観点に絞って、20回シリーズでご説明してまいります。

本日は「さびれゆく小売店」20回シリーズのその(1)です。

(以下の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)


(1)かつては子供たちでにぎわった小さな菓子

………もう廃業してしまったのではないかと思うような小さな菓子店が、今でも(1988年当時)町の片すみにひっそりと残っています。………



P162

………通行客からは店内の様子がよくわかりませんが、中にはいるとテレビでおなじみのスナック、チョコレート、ガムなどを陳列した「店員空間のない、引き込み・回遊型店」です。

商品量が少なすぎてひやかし安全信号が出ないので、ほとんど客がやってきません。

店員は奥の住居にいて、たまに客が来て声をかけるとやっと店に出てきます。

今では(1988年当時)すっかり過去の店になってしまったのです。

(以上の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)


これを見ると、すでに1988年当時には、商店街の菓子店がその魅力を失っていたことが分かります。

しかし、約60年前(1955年頃)、いわゆる団塊の世代が小銭を握りしめて、胸をときめかして通った近所の菓子屋さんは、長年にわたって大勢の子供たちのあこがれの店として営業を続けてきました。

子供たちは、奥にいる店員さん(おばさん、あるいはおじさん)の指導的接客を受けながら、商品をながめたりほんのわずかの買い物を楽しんだりしたのです。

店の構造は「店員空間の狭い引き込み型店」か、「店員空間のない、引き込み・回遊型店」で、「常連接客」を行う店でした。

その当時の全国の子供たちにとっては、「常連接客の店」の菓子屋さんが唯一の店だったので、少ない商品空間や口うるさい接客も黙って受け入れるしか方法がなかったのです…。

商店街の小さな菓子店は、自由に見たり触れたりしても、買わずに気軽に出られるスーパーやコンビニの菓子売り場が登場してくることなど、まったく想像だにできないかった時代に、近所の多くの子供たちでにぎわったのです。


【関連記事】

1.百貨店のサバイバルに勝つ店の構造

2.入りやすく出やすい路面店の成功

3.かわいいケーキ屋さんが浮かびあがれない理由

4.中元・歳暮の特設コーナーは買いやすい

5.姿をかくした町の電器屋さん

6.常連客がフリー客を追い払うオーディオ店

7.やはり買いやすい大型家電店

8.秋葉原電器街のサバイバル

9.改装したら買いにくくなった化粧品店

10.ひやかしやすい商品空間で客を引きつける化粧品店

11.同業者に嫌われる売れる薬粧店

12.百貨店で最も怖い化粧品売り場(1988年当時)

13.近づきにくい百貨店の紳士服売り場(1988年当時)

14.ひやかすには勇気のいるブラウス売り場(1988年当時)

15.エスカレータから見た百貨店の売り場(1988年当時)

16.DCブランド店には見えない壁がある。(1988年当時)

17.店と店員が豹変するバーゲンセール(1988年当時)

18.下見客の多い店ほどよく売れる(1988年当時)

19.自動車を店で買う時代(1988年当時)

20.買いにくい中古車センターでは何が起こるか(1988年当時)

21.生まれ変わるガソリンスタンド(1988年当時)

22.買いたい人にだけ買ってもらう宝石店の構造(1988年当時)

23.商品パワーの変化が店の構造を変える(1988年当時)

24.ディスカウントショップの二つの展開(1988年当時)

25.タバコがどんどん売れる店と売れない店(1988年当時)

26.たばこのコーナーが店をダメにする(1988年当時)

27.コンビエンスストアが客のニーズに応えたもの(1988年当時)

28.アーケードがある町ない町(1988年当時)

29.アメヤ横丁は客の心をかきたてる(1988年当時)

30.昔からセルフ方式だった書店の構造(1988年当時)

31.駅ほど商売に向いた立地はない(1988年当時)

32.寒さと戦うディスカウントショップ(1988年当時)

33.規模で勝負の郊外型店舗(1988年当時)


この星座の場所を、
応援クリック
お願いいたします。


人気ブログランキングへ

|

« 33.規模で勝負の郊外型店舗(1988年当時) | トップページ | 35.(2)味が伝わらない和菓子店(1988年当時のさびれゆく小売店) »

◆続・入りやすい店売れる店」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 34.(1)子供が去って行った菓子店(1988年当時のさびれゆく小売店):

« 33.規模で勝負の郊外型店舗(1988年当時) | トップページ | 35.(2)味が伝わらない和菓子店(1988年当時のさびれゆく小売店) »