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2016年3月23日 (水)

33.規模で勝負の郊外型店舗(1988年当時)

こんにちは。

1980年代半ば頃より、郊外人口の増加とマイカーの普及と大型SCの出店規制などを背景にして、紳士服、カジュアルウエア、靴、スポーツ用品、書籍やビデオカセット、カー用品、DIY用品などのロードサイド店が多数登場してきました。

さて今日は、約30年前の1988年当時のロードサイド紳士服店の様子についてご説明いたします。

(以下の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)


(1)規模の大きいい郊外型店舗ははいりやすい(1988年当時)

P160

………上のイラストの店は郊外型店舗の中でも規模が大きい方で、外から中の様子がよく見える大きな店舗と広い駐車場から成り立っています。

車客にとっても、規模が大きい店はやはりはいりやすいのです。

すでにたくさんの車が止まっている広い駐車場からは店内にもたくさん客がはいっていることが予想され、サクラパワーを生じると考えることができます。

豊富な商品と大勢の人の姿が客をひきつけるパワーなのです。………


(2)規模の小さい郊外型店舗ははいりにくい(1988年当時)

P161


………一方、上のイラストの店は郊外型店にしては規模の小さい店です。………

………このような狭い駐車場にはフリー客はなかなかはいっていくことができません。

また、この店の場合、近づいていく車からは店内の様子が見えにくい構造なので、どうしても大型の店に負けてしまいます。

たまに客が来ると店員は客が店内にはいってくるのを待ちかまえてしまうので、フリー客が逃げ出すこともあります。………

(以上の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)


1988年当時、百貨店においては、化粧品コーナーの次に、「なわばり」を主張する店員のアクションが強いエリアは、紳士服コーナーでした

そのことは、2月14日の「13.近づきにくい百貨店の紳士服売り場(1988年当時) 」でご紹介したとおりです。

一方、ロードサイドに次々と登場してきた大型紳士服専門店は、大幅ディスカウントセールが売り物ではありましたが、ひやかしにくく購入しにくい百貨店の紳士服コーナーの現状に比べて、男性が一人でも自由に紳士服をひやかすことができる店として多くの車客を引きつけたのです。

しかし、ロードサイド紳士服店の店員には、大勢のお客様が、百貨店の「なわばり」を主張する店員のアクションから逃れてやって来たのだという認識はほとんどありませんでした。

そのために、どの店の店員も「なわばり」を主張する店員のアクションを行っていましたが、百貨店よりもはるかに広い店舗と大量の商品空間によって、店員の「なわばり」主張のアクションは、随分と弱められていました。

従って、お客様は、百貨店の紳士服コーナーよりもロードサイド紳士服店を、また小規模なロードサイド紳士服店よりも大規模なロードサイド紳士服店を、はるかにひやかしやすく買いやすい店だと感じていたのです。

さて近年では、都心の地価下落を背景に、都心や駅チカ・駅ナカにさえ、大型紳士服店の進出が目立ち、しかも告知や店頭では、女性客にアピールした「紳士服店」として、大きく様変わりし始めています。

「店」は、養蜂家がサクラ前線に伴って移動してゆくのと同様に、状況や時代やニーズの変化に対応して、場所も規模も扱い商品をも変化させてゆくものなのです…。


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