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2016年3月15日 (火)

28.アーケードがある町ない町(1988年当時)

こんにちは。

近年、昭和の高度成長期に日本各地に完成されたアーケード街は、商店街の衰退とともに、痛みや劣化が目立って、次々と撤去されています。

実は、約30年前の1988年当時も、日本各地の多数の商店街で、アーケードを撤去するか新たに設置するかの議論が熱心に繰り返されていました。

当時は、アーケードの有り無しが、お客様を集客する大きな要因になっていると考えられていたからです。

今日は、約30年前のアーケードがある町ない町の様子をご紹介したいと思います。

(以下の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)


(1)アーケードのある町の店の構造。(1988年当時)

P144p145


………アーケードのある商店街が客をひきつけることには、天気とは別にもう一つ本質的な理由があります。

それはアーケードのある場所に出店することによって、店の構造が変わるということなのです。………

………そこで、これらの店の多くは「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」か「店員空間が狭い接触型店」の構造を持つことになります。

接触部分の商品空間が豊かなことは強いひやかし安全信号を出すので、客にとっては自由に見ることのできるひかしやすい店です。

そういうひやかしやすい形態の店ばかりが多業種にわたって集まっている町は活気があり、フリー客を数多くひきつけるのです。………


(2)アーケードがない町の店の構造。(1988年当時)

P146p147

………アーケードがないと店の構造は上のイラストのように変わります。

雨や風、陽ざしや寒さから商品と店員を守るために、「店員空間のない、引き込み・回遊型店」や「店員空間の狭い引き込み型店」の形態の店が多くなります。

両側に閉め切った店ばかりが続く商店街はひやかし安全信号に乏しく、それぞれの店の店員のなわばり主張が強いので、客はこの商店街をゆっくりひやかすことができません。

町に魅力がないので客数が少なくなり、客数が減ると店はますます固く扉を閉ざしてさびれた町になっていくのです。………

(以上の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)

すでに、日本の商店街がなぜ衰退していったのかについては、「人の動き」という観点から何度もご報告してきました。

確かにアーケードがあることは、従来のお客様を引き留めたり、去って行ったお客様を呼び戻すための一つの要素ですが、商店街が衰退していった一番の理由は、地域の再開発などによって、その商店街が地域住民の主要な移動空間(「道」)ではなくなってしまったことです。

見知らぬ大勢の客が行き交う通り(「道」)に沿った商店街でなければ、いつまでも大勢のお客様で賑わう商店街として生き残れないことは、すでに時の経過が証明しています。

アーケードによって店の構造が変わり、大勢のお客様を引きつけたアーケード商店街であっても、いったん人の流れが変化してしまうと、お客様は主要な移動空間に生まれた新しい商業集積に引きつけられ、まるで潮が引くかのように、その商店街から去ってしまうのです。

栄える商店街も寂れ行く商店街も、無常な人の流れによって生み出されているのです…。

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