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2016年3月19日 (土)

30.昔からセルフ方式だった書店の構造(1988年当時)

こんにちは。

1953年に、東京都港区青山に初めてオープンした「セルフサービス方式」のスーパーマーケットは、1970年代には、日本各地に普及していきました。

けれども、1970年代(約45年前)の頃でさえ、「セルフサービス方式」でモノが購入できるスーパーマーケットは、まだまだお客様に大きな衝撃を感じさせていました。

しかし、実はそれよりもずっと前から、「セルフサービス方式」の店は存在していました。

それが全国各地の商店街には必ずあった「書店」なのです。

にもかかわらず、当時の私たちは、書店が「セルフサービス方式」の店であるということには、まだ気づいてはいませんでした。

セルフサービス方式の「スーパーマーケット」や、10年遅れて普及してきた「コンビニエンスストア」が身近な存在になって、ようやく、入りやすい書店と入りにくい書店の存在に気づくことになったのです。

さて今日は、約30年前(1988年当時)の入りやすい書店と入りにくい書店についてご説明いたします。

(以下の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)


(1)大型の書店は、店員の「なわばり」主張のアクションが生じないために、入りやすくひやかしやすかった。(1988年当時)


Photo

………書店は昔からセルフサービス方式の店で、、客はいちいち店員の接客をうけずに商品をながめることができました。

構造的には「店員空間のある、引き込み・回遊型店」か「店員空間のある、接触・引き込み・回遊型店」で、店員はたいてい店員空間の中にいて、主にレジの作業をしています。………

………店の規模が大きければそれだけ商品量も多く、ひやかし安全信号が強くなります。

店内には十分な回遊通路が形づくられ、店員からの死角が生じるので、客は自由にいろいろな本を見ることができます。

また、このような店では店員空間のスペースも大きく、店員がその中でなわばり解除のアクションをすることができます。

客が多い店内にはサクラパワーが起こり、いっそう客をひきつけます。………


(2)小さな書店は、店員の「なわばり」主張が強かったために、客は入りにくい。

Photo_2


………他の扱い商品の店と同じように書店もまた小型店はには苦しい状況です。………

いくらセルフ方式とはいえ、客が極端に少ない店はどうしても店員のなわばり主張が強くなるので、客の居心地が悪くなってしまいます。………

………また、売れない店では商品の劣化や買わないのに本を読む客が気になるため、店員が立ち読み客を厳しく見張ったり追い払ったりして、ますます店内に人影がなくなってしまいます。

本屋にもひやかし客が必要です。………


Photo_3


………かつては店が少なかったので、店員がなわばり主張をしても客が来ましたが、本屋の数も多くなり、コンビニエンスストアなどでも本を置いている今日(1988年当時)、本屋もその構造や接客方法を考え直さなければならない時期に来ています。………

(以上の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)


ネットショップで本が気軽に買えたり、ネットメディアで情報が簡単に見れたりすることによって、従来型のリアルショップの書店からお客様が遠ざかっています。

近年は、コーヒーショップや雑貨店とコラボした新しいタイプの書店が次々と登場し、リアルショップの書店のあり方が模索されている時代と言えるでしょう。

かつて、セルフサービス方式の販売方法と店舗構造をしていながら、立ち読みの子供たちを追い払ったり、「立ち読みお断り」などのはり紙を張ったりして商売をしてきた書店が、商品(本)パワーがなくなってゆくと同時に、お客様から見放されてゆくのは当然のことだとも考えられます。

店主がレジカウンターにじっと座って、購入客を待っているだけの店が繁盛し続けたためしはないのです。


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