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2016年3月 7日 (月)

24.ディスカウントショップの二つの展開(1988年当時)

こんにちは。

一昨日は、約30年前、「腕時計」の商品パワーが下がったことによって、「腕時計」を売る店の店舗構造と接客方法が大きく変化した様子について説明しましたが、本日は、同じように商品パワーが下がった「カメラ(フィルム)」が大型ディスカウント店で販売されるようになった頃のお話です。

現在では、カメラの主流はフィルムカメラからデジタルカメラへと変化し、また誰もがケータイで写真を撮る時代となり、ディスカウントストアのカメラ売り場はすっかり変わってしまいましたが、1988年当時の大型ディスカウントショップの、売れるカメラ売り場と売れないカメラ売り場を改めて観察することによって、現在のリアルショップの作り方や接客方法の参考にして頂きたいと思います。

(以下の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)

(1)店員が店員空間から出てこないので、商品に近づきやすいカメラ売り場。(1988年当時)

P132

………こちらは売れる店の構造です。

商品空間の向こう側にはっきりとした店員空間があり、このコーナーの店員はすべて店員空間の中にはいっています。

彼らはそこから店内の通路を歩く客に対して激しくアプローチをかけますが、客空間に出てくるようなことはありません。

客はアプローチのスキを見ながら目あての商品をひやかして歩きますが、目の前に商品があるので触ろうと思えば触ることもできますし、店員がいやならその場を離れてしまえばいいのです。………

(2)店員が客空間に出てくると、商品に近づき難いカメラ売り場。(1988年当時)

P133

………一方、こちらは売れない店のイラストです。

この店では店員空間は別のところにあるのですが、店員はそれを無視して客空間に出ています。

こちらの店員も当然やってきた客に対して激しいアプローチをします。

ところがこちらの店員は客空間にいるので客と店員をへだてるものがありません。

歩いている客に触れんばかりに近づいてくる店員のなわばり主張はきわめて強いので、客は店員のいるあたりを通らなくなってしまいます。

また、店員が商品の前に立ちふさがっているので、なかなか商品に触るチャンスがありません。

客は、この店にきても商品に到達することができないので、結局あきらめて他の店へ行ってしまうのです。

どちらの店の店員も客追い踊りや客追い音頭(客を遠ざけるようなアクションや呼びかけ)を展開していることに変わりはないのですが、一方にはそれを抑える構造があり、他方にはないことから業績差が生じているのです。

(以上の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)

1988年当時の二つの売り場を比較すると、「なわばり」を解除する店員のアクションが生じやすい「店員空間の広い接触型店」が、「なわばり」を主張する店員のアクションが生じやすい「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」に対して、売り上げで勝っていたことがわかります。

近年、ターミナル周辺の移動空間に登場している元気がよい店は、「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」の構造が主流です。

このように、同じ構造の店同士の戦いになると、よりいっそう、店員のアクションが大切になってきます。

お客様は、やはり、「なわばり」を解除する店員のアクション」が多い店に引きつけられ、「なわばり」を主張する店員のアクションが多い店から遠ざけられています。

いつの時代にも、店員の存在は非常に強い影響力を持っているのです。

そのため、現代の店(リアルショップ)も、店員のアクションがお客様を遠ざけたり引きつけたりして、売り上げを大きく左右しているのです。

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