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2016年3月25日 (金)

35.(2)味が伝わらない和菓子店(1988年当時のさびれゆく小売店)

こんにちは。

日本の商店街が衰退していった本当の要因を知ることは、現在のリアルショップの改善と集客に関する大きなヒントとなります。

約30年前の1988年当時の全国の商店街には、必ず2~3件の和菓子店(和洋菓子店)が存在していました。

そして、主力商品の贈答用和洋菓子は、地元のお客様によって、冠婚葬祭時の定番の贈答品として頻繁に利用されてきました。

しかし、核家族化や少子高齢化の時代とともに、いずれの和菓子店の売り上げも、少しずつ陰りを見せ始めていたのです。

さて、今日は、その当時(1988年当時)の和菓子店の「店舗構造」と「接客方法」の様子を分析することによって、商店街の衰退とともに、なぜ和菓子店がお客様を遠ざけていったのかについて考えてみたいと思います。


(以下の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)


(1)贈答品と持ち帰り品を扱う典型的な和菓子店(1988年当時)

………この店は贈答品と持ち帰り品を扱う典型的な町の和菓子店です。

Photo_3

典型的な「店員空間が狭い引き込み型店」で奥に工場があります。………


P163

………この店では店主が毎日心を込めて作った和菓子を売っているのですが、なかなか思うように売り上げが上がりません。

この店の構造では贈答品を買おうとする目的型客でもなければ店内にはいっていけないからです。

多くの店主は単価の高い贈答品が売れることを望みますが、店の規模やポショニングからいうとこの店で贈答品をたくさん売るのは困難です。

むしろ持ち帰り品を中心にフリー客をひきつけたほうが効率はよいのですが、この構造ではひやかし客に対して門を閉ざしているのです。………

(以上の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)


全国の商店街には、必ず存在した和菓子店(あるいは和洋菓子店)は、ここで紹介したイラストのように、そのほとんどの店が「店員空間が狭い引き込み型店」の店舗構造をしていて、お客様が来るやいなや直ぐに接客を開始する「常連接客」が行われていました。

Photo_3
※店員空間が狭い引き込み型店

1_2
※お客様が注文する前から接客を開始する「常連接客」

そのために、やはり、規模が大きい和菓子店(あるいは和洋菓子店)が高い売り上げを上げる店となり、その当時(1988年当時)に、商店街の近くに登場してきたショッピングセンターなどに出店をする状況が多数見受けられました。

そして、ショッピングセンターの中の和菓子店(あるいは和洋菓子店)は、大抵が「店員空間の狭い(あるいは広い)接触型店」であり、商店街にある「店員空間が狭い引き込み型店」に比べて、はるかに店員の「なわばり」が解除された店となっていました。


Photo_4          Zu2_hirois
※店員空間が広い接触型店    ※店員空間が広い接触型店


商店街にあった和菓子店が、「店員空間が狭い引き込み型店」を改装することや、「常連接客」をやめることや、「商品開発」の必要性を感じながらも、ついつい逡巡を続けている間に、和洋菓子コーナーを充実させたスーパーマーケットやコンビニエンスストアが次々と近くに進出してきていました。

商店街の和洋菓子店には、大きな危機がひたひたと迫っていたのです…。


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