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2016年3月27日 (日)

37.(4)過去を売り続ける衣料品店(1988年当時のさびれゆく小売店)

こんにちは。

下のイラストの店は、かつて、アーケードを設置している商店街には、必ず見られた典型的なファッション店です。

古い店だと感じるかもしれませんが、実は、近年人気の駅ナカ・駅チカなどの移動空間に登場しているファッション店と同じ構造で、同じ接客方法を行っているのです。

そこで今日は、約30年前の1988年当時のアーケード商店街におけるファッション店を観察することによって、一見,、まったく違うように見える現在人気のファッション店と、いったいどこがどのように似ていて、何が違うのかについて、検討してみたいと思います。

(以下の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)


(1)商品パワーが弱くなった「商品空間」では、「なわばり」を解除できない(1988年当時)

………入口がオープンになった「店員空間のない、接触・引き込えみ・回遊型店」のこの店は構造的にはそれほど悪くはありません。

にもかかわらず多くの客を引きつけられないのは、この店の商品パワーが弱いからです。

P165

………この店では今までに売れ残ってしまった商品や何年も店の奥で眠っていたような商品ばかりを陳列しているのです。

これでは若者はもちろん中年の女性に対しても十分なひやかし安全信号を出すことができません。………

………たまに来る客に対して店員はどうしても早すぎる接客をして、ますます客を追い払ってしまうのです。………

(以上の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。)


今はすっかりさびれてしまっていますが、かつて、大勢のお客様を引きつけていた商店街がアーケードを設置することによって、さらに大勢のお客様で賑わったことは事実です。

なぜならば、雨風にさらされて商品が劣化してしまう心配のないアーケード商店街の店のほとんどが、「店舗構造」を大きく変化させたからです。

つまり、アーケードをつけることによって、「店員空間の狭い引き込み型店」は、「店員空間の広い接触型店」に、また「店員空間のない、引き込み・回遊型店」は、「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」の店に変化したのです。

アーケード商店街の通路の両側にせり出した各店の「商品空間」は、いずれも店員の「なわばり」が解除された「商品空間」となって、お客様にとっては非常にひやかしやすい「商品空間」になりました。

ところが、アーケード商店街から少しずつ客足が減少し始めると、同じ店舗構造の店であっても、「商品空間」の魅力が失われたり、直ぐに接客を開始する「常連接客」が目立ったりして、ますますお客様を遠ざける店になっていったのです。

さて、近年、交通インフラ周辺の移動空間には、「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」が多数登場し、大勢のお客様を引きつけています。

中でも多くのお客様を引きつける店は、必ず店頭に「戸板一枚の店」サイズの「商品空間」を設置し、その店で最も魅力的な商品を陳列しています。

このような店の場合、店員は直ぐには接客を開始しないで、「なわばり」を解除する店員のアクション、つまり、何らかの作業をやり続けながら、お客様から声がかかるのを待っています。

すると、移動空間を移動するお客様が立ち止まり、サクラパワーを生じて、さらに多くのお客様でにぎわいます。

このように考えると、「売れるファッション店」の構造と接客方法は、30年前も現在も、さほど大きな変わりはないのです…。


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