67.新しくて人気のある商品を売る店ほど、接客と店の古さに気づけない。
こんにちは。
今日は、「リアルショップあるあるシリーズ(67)」の、
「なぜ、人気のある商品を売る店ほど、旧態依然とした店舗構造と接客方法で販売するのか?」という話です。
※人気商品を売る店は、「なわばり」を主張する店員のアクションが目立つが、早く購入したいと思うお客様にとっては、全く気にならない。
買うことが決まっているお客様を対象にした店と、買うか買わないかが決まっていないお客様を対象にした店では、店舗構造と接客方法が大いに異なります。
かつて隆盛を見せた全国各地の商店街の店は、近所の馴染み客、つまり買うことが決まっているお客様を対象にした店であったために、店員が「なわばり」を主張するアクションが生じやすい接客方法(常連接客)と店舗構造(店員空間のない、引き込み・回遊型店)の店が主流でした。
そして、商店街の店に代わって登場してきた大型店やディスカウント店やコンビニなどは、買うか買わないかがわからない見知らぬお客様を対象にしていたため、できるだけ店員が「なわばり」を解除するアクションが生じやすい接客方法(一見接客)と、店舗構造(店員空間のある、引き込み・回遊型店)を持った店が主流となりました。
さて、それではいったいなぜ、非常に新しくて人気のある商品を扱う店が登場してきた場合は、その接客方法と店舗構造が、かつての商店街によく似た、古い接客方法(常連接客)と、店舗構造(店員空間のない店)をした店になりやすいのでしょうか?
それは、非常に強力な人気商品を販売している店の場合は、購入することが決まっているお客様を対象にすることが多いからです。
もちろん、人気商品を扱う店も、店員の「なわばり」であることには変わりはありませんが、他のお客様と競って、いち早く購入したいと願うお客様にとっては、店や店員の「なわばり」に対するプレッシャーは、ほとんど感じられなくなってしまうのです。
一方、人気商品を扱う店は、お客様が来るやいなや直ぐに接客を開始しても、購入が決まっているお客様は遠ざかることがないために、「常連接客」を行いやすい店の構造をして、「常連接客」を行おうとするのです。
ところが、やがて月日が経過して、お客様が商品を奪い合うように殺到した店がすっかり落ち着きを見せるようになると、店員が「なわばり」を主張するアクションばかりが目立って、今度は気軽にひやかすことができない店になってしまうことは、誰もが体験していることでしょう。
(この「リアルショップあるある」シリーズの毎回のタイトルは、1995年に単行本、2004年に文庫本、2013年にブログで、「良い店悪い店の法則」として紹介したものです。それを、現在の捉え方でご報告しなおしています。)
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