71.成功物語は語られるが、失敗物語は誰も語らない
こんにちは。
今日は、「リアルショップあるあるシリーズ(70)」の、
「なぜ、成功物語は多くの人が聞きたがるのに、失敗物語は大抵の人が聞きたがらないのか?」という話です。
※成功者の講演会には多くの聴衆が集まるが、失敗を分析しようという講演会にはなかなか聴衆が集まらない。
書店のビジネス書のコーナーには、「私はこうして成功した」という成功物語の本は山積みされていますが、「私はなぜ失敗したか」という失敗物語の本はほとんど見かけません。
経営コンサルタントや専門家たちも、できるだけ失敗者の話は語らないで、成功者の話ばかりを語りたがります。
それは、経営者や経営者を目指す人たちが、成功者の話は好んで聞きたがりますが、失敗者の話はほとんど聞きたがらないからです。
TVのバラエティー番組としての「しくじり先生」が視聴者に受ける時代とはいえ、実際には、失敗者が書いたビジネス書はあまり売れず、失敗者の講演会などには人はほとんど集まりません。
それではいったいなぜ、成功物語は多くの経営者が聞きたがるが、失敗物語は多くの経営者が聞きたがらないのでしょうか?
それは、ほとんどの経営者たちが、「コスト最小」の生き方に強い影響を受けているからなのです。
大きな成功を目指す経営者たちにとっては、、反面教師として、失敗事例を聞いたり学んだりすることは、成功の確率を高めるために大いに役立つはずです。
ところが、他人の失敗事例に接して、自分たちにも予想される様々な問題を一つ一つ解決しながら、着実に成功への道を進もうとすることは、非常に強い意志や情熱を必要とするため、大変なエネルギーを消耗してしまいます。
そのため、多くの経営者たちは、事業の実行を遅らせて、様々な問題点を解決するために努力するよりも、少々不確かであっても、自分が信じた道を思い切って突き進むことの方が、幸運に恵まれた大きな成功がつかめるのではないかと思ってしまうのです。
実際に、大きな成功を収めた多くの経営者たちが、過去に数多くの失敗を繰り返したことについて反省を込めながら語っていますが、これから成功を目指す多くの経営者たちは、どうしても成功物語の部分にばかり目を奪われてしまうのです。
そして、その結果、成功者よりも失敗者の方が圧倒的に多くなってしまうのですが、それは、成功するための「努力」にはやはり想像を絶する「コスト」がかかるからなのです。
(この「リアルショップあるある」シリーズの毎回のタイトルは、1995年に単行本、2004年に文庫本、2013年にブログで、「良い店悪い店の法則」として紹介したものです。それを、現在の捉え方でご報告しなおしています。)
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