63.改装しなければ客は増えないが、改装したら元の客もいなくなる
こんにちは。
今日は、「リアルショップあるあるシリーズ(63)」の、
「古くなった店は改装をしなければお客様を増やすことができないが、改装をすることによって、元のお客様まで遠ざけてしまうことがある」という話です。
※改装をした店の構造が、「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」の場合は、店員が回遊通路にじっと立って待ち構えると、お客様を遠ざける店員のアクションになってしまう。
リアルショップは常に新しい商品を陳列して販売する現場なので、商品に合わせたデイスプレイは短期間で次々と取り替えられます。
また、インテリアや什器等も、お客様の目を引きつけるために、新しく取り替えられてゆきます。
そして、リアルショップの売り上げが下がってくると、商品の見直しと共に、必ず店舗改装についても検討がなされます。
しかし、思い切った店舗改装をして、店のイメージをがらりと変えたにもかかわらず、その効果が期待したほどには上がらなかったり、かえって前よりもお客様が来なくなったりしてしまうことも珍しくありません。
それではいったいなぜ、店舗を改装したにもかかわらず、お客様が改装前よりも少なくなってしまうことが起きるのでしょうか?
それは、店は店員の「なわばり」だからです。
店は店員の「なわばり」なので、お客様は、店員の「なわばり」にはいって買い物をすることになります。
そのために、「なわばり」を主張する店員のアクションがお客様を遠ざけ、「なわばり」を解除する店員のアクションがお客様を引きつけているのです。
そして、「なわばり」を主張したり解除したりする店員のアクションは、実は、店の構造によって生み出されています。
つまり、「なわばり」を解除する店員のアクションを生み出しやすい店舗構造と、「なわばり」を主張する店員のアクションを生み出しやすい店舗構造があるのです。
いくら、お客様の目を引くインテリアや什器を取り揃えたり、店舗を新しく改装したりしても、「なわばり」を主張する店員のアクションが生じやすい店舗構造になってしまうと、新しいお客様が来ないだけではなく、前からのお客様まで遠ざけてしまうことになるのです。
したがって、店舗改装の際には、いかに「なわばり」を解除した店員のアクションが生じやすい三空間(商品空間と客空間と店員空間)の設計を行うかということが、最も大切なポイントとなるのです。
(この「リアルショップあるある」シリーズの毎回のタイトルは、1995年に単行本、2004年に文庫本、2013年にブログで、「良い店悪い店の法則」として紹介したものです。それを、現在の捉え方でご報告しなおしています。)
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