72.店は万引きをつくりだして万引きに悩む
こんにちは。
今日は、「リアルショップあるあるシリーズ(72)」の、
「店は、万引きをできるだけ防ごうと懸命になるが、万引きを生み出しているのは自分自身である」という話です。
※セルフ販売方式の店が万引きを誘発させてきたが、近年、万引きは減少している。
未成年者や高齢者の万引き問題をTV番組などで見かけるたびに、万引きは年々増加の一途をたどっているように思えますが、実際には、万引きは減少傾向にあります。
その背景にある様々な要因に関しては他に譲るとして、今回は万引きを生み出しやすい店と万引きを生み出しにくい店の存在についてお話します。
まず、万引きを生み出しにくい店は、かつての商店街の店です。
一方、万引きを生み出しやすい店は、スーパーやコンビニなどの店です。
それではいったいなぜ、商店街の店は万引きを生み出しにくく、スーパーやコンビニなどの店は万引きを生み出しやすいのでしょうか?
それは、店は店員の「なわばり」だからです。
店が店員の「なわばり」であるために、お客様は店員の「なわばり」にはいって買い物をすることになります。
そこで、店員が「なわばり」を主張する店は、お客様を遠ざけやすい店となるために、その分、万引きを生み出しにくい店になります。
反対に、「なわばり」を解除する店は、お客様を引きつけやすい店となるために、万引きを生み出しやすい店になるのです。
このように考えると、
「なわばり」を主張して、万引きを生み出しにくい店とは、
お客様から注文を受ける前から接客を開始する「常連接客」を行う店で、
店舗構造は、
「店員空間が狭い接触型店」、
「店員空間が狭い引き込み型店」、
「店員空間がない、引き込み・回遊型店」、
「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」
となります。
一方、「なわばり」を解除して、万引きを生み出しやすい店とは、
お客様から注文を受けた後から接客を開始する「一見接客」を行う店で、
店舗構造は、
「店員空間がある、引き込み・回遊型店」、
「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」
となります。
以上のように、店舗構造と接客方法によって、万引きがしやすい店と、万引きがしにくい店が生まれてくるのです。
従って、万引きに悩む店は、実は、万引きが生じやすい店の構造と接客方法を採用したために、そのような結果を招いてしまったということができるのです。
(この「リアルショップあるある」シリーズの毎回のタイトルは、1995年に単行本、2004年に文庫本、2013年にブログで、「良い店悪い店の法則」として紹介したものです。それを、現在の捉え方でご報告しなおしています。)
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