64.有名な建築家ほど売れない店をつくりやすい
こんにちは。
今日は、「リアルショップあるあるシリーズ(64)」の、
「なぜ、有名な建築家であっても、売れる店の店舗設計をすることができないのか?」という話です。
※見るからに珍しいインテリアや什器や店舗構造をした店は、大抵、有名な建築家によってつくられているが、売れる店ではない場合が多い。
「売れる店をつくりたい!」というのは、店の規模の大小や数の多少に関係なく、ほとんどの店舗経営者の願いです。
そして、よく売れる店をたくさん持って成功した経営者ほど、有名な建築家に店舗設計を依頼して、多くのお客様に感動を提供できるような店をつくりたいと思うものです。
ところが、そのように考えた経営者たちに依頼された有名な建築家がつくった店に、それまでとよりはるかに大勢のお客様が押し寄せ、ますます有名な売れる店になったという話はあまり聞かれません。
それではいったいなぜ、有名な建築家がつくった店ほど、なかなか商品が売れて行かないのでしょうか?
それは、店は店員の「なわばり」だからです。
店は、店員の「なわばり」なので、お客様は、店員の「なわばり」にはいって買い物をすることになります。
そのために、お客様は、店員が「なわばり」を主張する店からは遠ざかり、店員が「なわばり」を解除する店には引きつけられるのです。
しかも、「店」は、できるだけ安く買いたいお客様と、できるだけ高く売りたい店員という、全く利害が相反する人間関係の現場であるために、お客様が店員の「なわばり」に対して感じるプレッシャーは、非常に大きいものなのです。
したがって、売れる店をつくろうと思ったら、できるだけ「なわばり」を主張する店員のアクションをコントロールして、できるだけ「なわばり」を解除する店員のアクションが生じやすい店舗設計(三空間設計)が不可欠なのです。
しかし、残念ながら、有名な建築家が設計した店舗には、このような考え方は、全く反映されていないのが現実です。
だから、有名な建築家ほど、売れない店をつくりやすいということになるのです。
(この「リアルショップあるある」シリーズの毎回のタイトルは、1995年に単行本、2004年に文庫本、2013年にブログで、「良い店悪い店の法則」として紹介したものです。それを、現在の捉え方でご報告しなおしています。)
【関連記事1】
1.売れる店の店員は感じが良く、売れない店の店員は感じが悪い
2.店員のスペースが広い店ほど客の居心地が良い
3.改装しなければ客は増えないが、改装したら元の客もいなくなる
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