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2016年2月12日 (金)

12.百貨店で最も怖い化粧品売り場(1988年当時)

現在でも、百貨店によってはその片鱗が残されていますが、約28年前の百貨店では、お客様にとって、最も怖い売り場は化粧品売り場でした。

なぜ、百貨店の化粧品売り場が怖かったのか?

その理由を知ることは、売れる化粧品店&化粧品売り場を作るための不可欠な情報となります。

当時の様子について、

1988年に出版した拙著「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社より、イラストと文を抜粋して、ご説明いたします。

(1)百貨店の化粧品コーナーが怖がられた理由

P98p99


………現在(1988年当時)、百貨店の化粧品売り場にある店はほとんどが「店員空間の狭い接触型店」です。

一軒の店に与えられたスペースはせいぜいケース1本か2本、そしてその後ろにやっと店員が立っていられるくらいの店員空間があるだけです。

この構造では店員がなわばり主張のアクションをすることを責めるのは気の毒です。

さらに困ったことに、この一角にあるすべての店はお互いに完全に競合していますから、どうしても激しい客のうばいあいになってしまいます。

他店の店員に負けないためにも、店員は店の前を歩く客にどんどんアプローチをかけます。………


(2)名ばかりの「ご自由にお試しください」コーナー

P100

………最近では(1988年当時)店の一角にお試しコーナーを作る店が増えてきました。………

………ところがせっかくコーナーを作ったにもかかわらず、客はなかなか近づいてこないのです。

一つの理由は、店そのものの面積やコーナーの面積があまりにも狭いため、十分なひやかし安全信号を出せないことです。

さらにこのお試しコーナーは店員からよく見えるので店員のなわばりが強くて近寄りにくいのです。

そして決定的なのは、「ご自由にお試しください」というのは名ばかりで、ちょっとでも客がこの場に立ち止まると店員が「いらっしゃいませ、何をお探しですか」とアプローチをかけてくるのです。………


(3)全体の面積も大きく店員空間も広い接触型店の登場

P101


………この店では十人以上の店員が常になわばり解除のアクションをするので、非常に強力に客を引きつけることができます。

ここでは店員は様々な作業をしているので、客が店に近づいてきてもすぐにはアプローチをかけません。

そのためこの一角には客が多く立ち止まり活気のある状況がつくりだされています。

従来の接客アプローチからもっと客をひきつける他の方法へ、今、化粧品売り場も少しずつ変化を始めているのです。………


以上、1988年に出版した拙著「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社より、イラストと文章を抜粋して、ご紹介しました。

さて、28年の年月を経て、現在の百貨店の化粧品売り場はどのように変化してたのでしょうか?

ほとんどの化粧品店は、店の面積が大きくなるとともに、お試しコーナーや施術コーナーが併設されることによって、「なわばり」を主張する店員のアクションがコントロールされるようになりました。

また、規模の大きい化粧品店が多数構成されることなどによって、かつてのような、化粧品売り場が百貨店の中で最も怖い売り場であるというイメージは、そうとう払拭されました。

しかし、そうは言っても、化粧品売り場が、お客様が店に近づくやいなや直ぐに接客を開始する「常連接客」が行われやすい売り場であることには変わりはありません。

また、近年、急激に増加してきた「インバウンド客」に対する競争時代を迎えて、再び積極的に接客することが推奨されるようになりました。

なぜなら、すでに購入することが決まっている「インバウンド客」に対しては、「常連接客」の方が「一見接客」よりもはるかに功を奏するからです。

そのため、せっかく、百貨店の化粧品売り場で「なわばり」解除の店員のアクションが提供され始めたにもかかわらず、またしばらくは、その姿を隠してしまいそうな気配を見せています。


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