14.ひやかすには勇気のいるブラウス売り場(1988年当時)
約30年前に、百貨店のブラウス売り場が大きく変化しました。
かつては、ブラウスは「店員空間が狭い接触型店」の構造をした店(ガラスケース1本~2本の店)で販売されていましたが、約30年前ころから、「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」に変わっていったのです。
そして、現在でもほとんど同じような店の構造で販売されていますが、その経緯を知ることによって、売れるブラウス売り場づくりのヒントにしていただきたいと思います。
以下の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。
(1)店舗の構造がなわばり主張する店員のアクションを生み出した
………この売り場が買いにくいのは店員のなわばり主張が強すぎるためですが、これを引き起こしているのは基本的には店舗の構造です。
………店員のアクションを考えないままにケースをはずして店員を客空間に出してしまったために店員側にも混乱が起こりました
店員は一日、どこにいて何をしていたらいいかがよくわからない状況なのです。………
(2)店が店員の「なわばり」であることを指導しない接客教育が、お客様を遠ざけた。
………このような店では神様・名人といわれる店員が圧倒的に有利です。
そこで一般的な店員も神様・名人のアプローチをまねするようになったのですが、その結果タイミングが早すぎるアプローチやしつこい接客が生じてしまいました。………
以上の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。
現在の百貨店の婦人物売り場は、ブラウス売り場に限らず、まだまだひやかしにくい売り場のままです。
百貨店の中には、お客様の高齢化に伴い、ベテラン店員を配置するなどきめ細かな対応を行うことによって、多くのお客様を呼び戻すことに成功した売り場もありますが、ほとんどの店員は、店が店員の「なわばり」であるという認識が不足しているために、お客様を遠ざけやすい「なわばり」を主張する店員のアクションを行ってしまっているのです。
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