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2016年2月20日 (土)

16.DCブランド店には見えない壁がある。(1988年当時)

1980年代に全国で大人気となった、DCブランド店(デザイナーズ・Designer's & キャラクターズ・Character'sの略)のお話です。

当時のDCブランド店の女性販売員は、「ハウスマヌカン」と呼ばれて、流行り歌までできるほどの大変な人気職種となりました。

DCブランド店は、人気ブランドのファッションを、人気の「ハウスマヌカン」が接客して販売する店として有名になりましたが、やがて商品の人気の陰りと共に、ユニークな構造の店も「ハウスマヌカン」も姿を消していきました。

その、約30年前の「DCブランド店」と「ハウスマヌカンの接客」について、「人の動き」という観点から観察・分析してみたいと思います。

以下の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。


(1)見るからに斬新な構造の店も登場した

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………業界のリーダーとして新しい店づくりも提案しなければなりません。

結果として上のイラストのような不思議な店が登場してきます(1988年当時)。

これは「店員空間のある、引き込み・回遊型店」の構造をしていますが、客空間にも店員がいて側面の商品を売るためにアプローチをします。

中央のガラスケースの商品も常に店員に管理されているため、客は自由にひやかせません。

前面が解放された店づくりは一見フリー客歓迎のようですが、店員からの死角がまったくないこの店の商品空間と客空間はフリー客を拒絶しています。………



(2)要求される高度な販売技術


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………売り上げが上がるかどうかは店員の対人技能が重要なカギを握っています。

「店員空間がない」タイプの店ではもともと商品説明などの接客が必要な商品を扱っていることが多く、どうしても店員が客に長時間接しなければなりません。

そうなると、決まりきったパターンを教育しただけでは応用がきかないので、結局、店員個人の力量が問われることになります。………



(3)なわばり主張の強い路面店はフリー客がはいりにくい

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………私たちは客として街を歩く時(1988年当時)、いくつかのDCブランドの店を見かけると他人事ながら心配になることがあります。

「全然客が入っていないけれど大丈夫なのかしら」。

そういう店は客が中にはいってみたくてもなかなかはいれないなわばり主張の強い店なのです。………

………一部のファッションビルに見られるような奥行きが浅く間口が広い店は、店員のなわばり解除がされやすく、若い客を引きつけています。

DCでありながらはいりやすい店の構造を展開することがやはりよく売れる店をつくる近道なのです。………

以上の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。



お客様がどうしても欲しいと思うほど「商品パワー」の強い商品を販売している場合は、お客様は、店員の激しい「なわばり」主張の影響をほとんど受けなくなります。

そのために、そのような時期においては、店員の「なわばり」主張が強くなりやすい店舗設計や接客方法が実施されていきます。

しかし、「商品パワー」が強い時期はいつまでも続かず、その陰りと共に、「なわばり」を無視した店舗構造や接客方法がお客様を遠ざけることになってしまったのです。

人気商品を販売して売れている店は、本当は「売れる店」に不可欠な「なわばり」の解除が、ついつい見失われていくことになるのです。


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