20.買いにくい中古車センターでは何が起こるか(1988年当時)
こんにちは。
一昨日、1988年当時のディーラーのショールームの様子を紹介しながら、セールスマンではなく、店(ディーラー)で車を買う時代が始まったことを紹介しました。
今日は、1988年当時の中古車ショップの興味深い状況を紹介することによって、中古車ショップはもちろんのこと、各ディーラーのショールームが、いかにはいりにくく買いにくい現場であったかということをお伝えしたいと思います。
以下の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。
(1)閉店後に客がこっそりとやってくる中古車センター
………上のイラストは、営業が終わったあとの夜の風景なのですが、ここでは非常に興味深い出来事が起こっているのです。
営業が終わって店員がいなくなった店に、自転車や車でひとりふたりと客がやってきます。
客は仕切りを乗り越えて中にはいると中の車をあれこれ見て歩きます。
十分に商品を検討した結果、気に入った商品があればそれを手帳にメモしておいて翌日電話で交渉をするのです。
中古車センターの看板には電話番号がでかでかと書きたてられ、夜中でもライトをつけてよく見えるようにしてあります。
これは、このように閉店後にやってくる客のために店側が用意した工夫なのです。………
(2)豊富な商品空間からはひやかし安全信号が出て選びやすい
………中古車センターセンターにも売れる店と売れない店があります。
やはり大型店のほうが店員のなわばり解除がしやすく、商品量も多いのでひやかし安全信号が多く、客をたくさん引きつけることができます。
小型店はこれらの点で大型店よりも不利なので、これをカバーしようとして店員が積極的なアプローチを繰り返したあげく、ますますはいりにくい店になっていることがあります。………
以上の、イラスト&文は、「続・入りやすい店売れる店」・日本経済新聞社・1988年より抜粋したものです。
現在では、ディーラーのショールームも、中古車センターも、お客様は買う買わないに関係なく、自由にひやかせる店となりました。
店(ショールームなど)における車の激しい販売競争を背景にして、販売関係者たちはやっと、大勢のお客様を引きつけるためには、できるだけ「なわばり」を解除した店の構造をつくることと、できるだけ「なわばり」を解除した店員のアクションを提供することが、極めて大切だということに気づいたのです。
今では、車を売る店(ショールーム)と他の物販&飲食の店の間には、全く違いがなくなったということが言えるでしょう。
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