57.売れる店員の言うことを聞いても、売れるようにはならない
こんにちは。
今日は、「リアルショップあるあるシリーズ(57)」の、
「売れる店員の接客テクニックを教わっても、なぜ多くの店員は売れるようにならないのか?」という話です。
※売れる店員の本当の秘訣は、売れる店員が「これだ!」と感じている以外のことで売れている。
店員には、「よく売れる店員」と「売れない店員」が存在しています。
そして、残念ながら、「よく売れる店員=達人店員」はごく一握りで、「売れない店員」が大部分を占めています。
さらに、大変興味深いことに、「達人店員」は、
「なぜよく売れるかが分かりにくい達人店員」と、
「なぜよく売れるかが分かりやすい達人店員」
に別れます。
そして、店員教育のほとんどは、「なぜよく売れるかが分かりやすい達人店員」によって繰り返されています。
ところが、「なぜよく売れるかがわかりやすい達人店員」が多くの店員を手取り足取り指導しても、なかなか「売れない店員」を「売れる店員」にすることはできません。
それではいったいなぜ、「売れない店員」は、「売れる店員」の接客テクニックを習得することができないのでしょうか?
それは、「売れる店員」も「売れない店員」も、ともに「コスト最小」の生き方に強い影響を受けているからなのです。
多くのリアルショップの経営者は、ずば抜けて売れる「達人店員」が増えることを願う一方で、たとえ「達人店員」になれなくとも、「普通の店員」や「売れない店員」の接客スキルがアップして、少しでも「達人店員」に近づくことを期待しています。
しかし、「達人店員」が自分の接客スキルを一生懸命指導するにもかかわらず、なかなか効果が上がらないのが現実なのです。
その最大の原因は、達人店員自身が、自分の接客スキルの大部分は接客に効果的な「身体の動き」によって成り立っている、ということに気づいていないからです。
つまり、お客様にうまく近づいたり、挨拶やお礼やお願いやお詫びをするための「お辞儀」をしたり、「案内」をしたり「相づち」を打ったりする際に、適切な「身体の動き」を持っている人が「達人店員」なのです。
したがって、接客スキルに不可欠な「身体の動き」を持ち合わせていない大部分の店員は、「達人店員」が教える接客トークをしゃべっても、「身体の動き」がうまくかみ合わないために、お客様に大きな不満を与えてしまうことになるのです。
人は誰でも、自分の「動きの癖」に強い影響を受けているために、そう簡単には、「達人店員」が得意な「動き」を真似ることはできないのです。
(この「リアルショップあるある」シリーズの毎回のタイトルは、1995年に単行本、2004年に文庫本、2013年にブログで、「良い店悪い店の法則」として紹介したものです。それを、現在の捉え方でご報告しなおしています。)
【関連記事1】
1.客が来ない店でも営業し続けるのはなぜか?
2.店主はたとえ本当でも売れないと言われたくない。
3.停滞している店の店主でも結構満足している。
4.商店街の世話役は商売が苦手
5.立地が良くても売れない店はあるが、立地が悪くて売れる店はない。
6.商店街に客が戻って来る時はインフラが変化したとき
7.飲食店の少ない商店街には新しい客は増えない
8.家賃をタダにする商店街ほど店が埋まらない。
9.店員は顧客満足よりも同僚満足を追求する
10.客の苦情に店員は反発し、店長は弁解し、社長は恐縮する。
11.客の怒りを鎮めるものは、お詫びのことばよりもモノかカネ。
12.苦情処理係は謝れば謝るほど客を怒らせる
13.店の競争が客を「神様」にする
14.出店規制は、大型店を縛ったのではなく客を縛って来た
15.景気が悪くなると接客が良くなる。
16.さわやかな笑顔を訓練しても、ほとんどの人がさわやかにはなれない
この星座の場所を、
応援クリック
お願いいたします。
人気ブログランキングへ
| 固定リンク
「◆リアルショップあるある」カテゴリの記事
- 73.商品を見張っていると、万引きと客を遠ざけることができる(2016.02.25)
- 72.店は万引きをつくりだして万引きに悩む(2016.02.23)
- 71.成功物語は語られるが、失敗物語は誰も語らない(2016.02.21)
- 70.商売に破たんした店主のとる道は二つある、店をたたむか安売り屋になることである(2016.02.19)
- 69.どんなに大きな店も初めは小さな店だったが、小さな店がすべて大きな店になるわけではない(2016.02.17)
コメント