47.飲食店の少ない商店街には新しい客は増えない
こんにちは。
今日は、「リアルショップあるあるシリーズ(47)」の、
「飲食店が少ない商店街ほど、新しいお客様が増えずに衰退していった」という話です。
※ラーメン屋さんと寿司屋さんと蕎麦屋さんしかない商店街が衰退して行ったのには、明確な根拠があった。
日本全国各地の商店街が衰退していった要因をきちんと知ることは、現在、隆盛しているリアルショップの繁盛の要因を明確に知ることに繋がっています。
なぜならば、商店街の衰退の理由を、単純に「大型店の登場」や「交通機関の発達」や「後継者不足」等だと解釈したのでは、現在の移動空間に生まれている新しい商店街的商業集積や、その中で繁盛店と非繁盛店が生じる本当の要因を理解することができないからです。
商店街が衰退していった一番の要因は、従来の交通インフラの大変革にあります。
そして、通行客が減少することが予測できた時点で、あるいは、少なくとも減少し始めると同時に、多くの通行客が行き交う新たな通りに出店して行かなかったことにあるのです。
もしも、大勢の通行客が行き交う新天地に商店街全体が移動したとしたら、その商店街には、新しい飲食店が数多く生まれてきたに違いありません。
なぜなら、飲食店は、外部からその街を訪れるお客様にとって、絶対に必要なものだからです。
つまり、飲食店が少ない商店街は、食事時には自宅に帰ることができる地元のお客様だけを対象にして成り立って来た商店街なのです。
それでは、なぜ多くの店主たちは、もともと飲食店の少ない商店街にお客様を呼び戻すことは非常に困難だ、ということに気づかなかったのでしょうか?
それは、ほとんどの店主が、「コスト最小」の生き方を望んできたからなのです。
商店街に住みついてしまった店主たちは、潔く店をたたんで、新天地に店をオープンさせることの必要性を感じていたとしても、多額の費用と多くの労力を伴うことを思うと、現状のままでもお客様を呼び戻せる方策がある…ということを信じたかったのです。
ほとんどの店主が「コスト最小」の生き方を望んでいたがゆえに、現状の店に踏みとどまりながら、活性化策や振興策を行うことに魅力を感じ、商店街復活に対する期待を持ち続けてしまったのです。
元気の良い商店街には、必ず多くの飲食店が存在していますが、そのことは、いかに大勢の移動客つまり見知らぬお客様が行き交っているか、ということのバロメーターとなっています。
一方、衰退した商店街には、飲食店と言えるものは、月並みな中華料理屋と寿司屋と蕎麦屋しかなかったことは、誰の記憶にも残っているはずです。
(この「リアルショップあるある」シリーズの毎回のタイトルは、1995年に単行本、2004年に文庫本、2013年にブログで、「良い店悪い店の法則」として紹介したものです。それを、現在の捉え方でご報告しなおしています。)
【関連記事1】
1.客が来ない店でも営業し続けるのはなぜか?
2.店主はたとえ本当でも売れないと言われたくない。
3.停滞している店の店主でも結構満足している。
4.商店街の世話役は商売が苦手
5.立地が良くても売れない店はあるが、立地が悪くて売れる店はない。
6.商店街に客が戻って来る時はインフラが変化したとき
1.店の業績を左右する、お客様に見えて、ほとんどの店員に見えないモノとは?
2.お客様には、はっきりと見える「客空間」は、店員の目には決して見えない。
3.店員の目には見えないが、お客様の目には見える「客空間」を用意することがポイント。
4.店員には見えないがお客様には見える、入りやすい「出入り口」をつくるには?
5.店員の目には見えないが、お客様には見える「回遊通路」とは?
6.店員の目には見えないが、お客様の目にははっきりと見える店員のアクション。
7.店員の目には見えないが、お客様の目にはよく見える「サクラパワー」現象。
8.移動空間としての「道」では、「戸板一枚の店」の性質を持った店がお客様を引きつけている。
この星座の場所を、
応援クリック
お願いいたします。
人気ブログランキングへ
| 固定リンク
« 7.店にやって来た「独断の動きをするお客様」に対する、感じの良い接客、感じの悪い接客。 | トップページ | 8.店にやって来た「虚脱の動きをするお客様」に対する、感じの良い接客、感じの悪い接客。 »
「◆リアルショップあるある」カテゴリの記事
- 73.商品を見張っていると、万引きと客を遠ざけることができる(2016.02.25)
- 72.店は万引きをつくりだして万引きに悩む(2016.02.23)
- 71.成功物語は語られるが、失敗物語は誰も語らない(2016.02.21)
- 70.商売に破たんした店主のとる道は二つある、店をたたむか安売り屋になることである(2016.02.19)
- 69.どんなに大きな店も初めは小さな店だったが、小さな店がすべて大きな店になるわけではない(2016.02.17)
コメント