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2015年12月26日 (土)

43.停滞している店の店主でも結構満足している

こんにちは。

今日は、「リアルショップあるあるシリーズ(43)」の、

リアルショップでは、「店が停滞しているにも関わらず、なぜ店主は満足しているのか?」という話です。

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※多くの専門家たちを悩ますシャッター商店街の店主たちは、それなりに充実した日々を送っている



戦後の日本経済の急激な発展とともに、全国各地の商店街が大勢のお客様で賑わいましたが、やがて陰りが見え始め、1980年半ばを境にしてどんどん業績が悪化し、ほとんどの商店街が停滞ないしは衰退していると報じられてきました。

しかし、不思議なことに、これらの商店街は、停滞ないしは衰退していると言われ始めてから、いよいよ壊滅状態を迎えるまでには、随分と長い年月を要してきました。

その間、全国各地の行政を中心に、商店街振興策や活性化策の名のもとに、数え切れないほどの商店街復活の手立てが模索され続けてきました。

しかし、多くの専門家達がたくさんの活性化策を提案したにもかかわらず、結局、商店街復活のモデルプランを見つけることができないまま、商店街は「歯抜け商店街」から「シャッター商店街」を経て、一つまた一つと消滅を続けています。

それではなぜ、行政から多額の援助金や様々な支援策や専門家の提案を受けたにもかかわらず、多くの商店街は「笛吹けど踊らず」のことばのように変化しないまま、細々と生き延びてきたのでしょうか?

今もなお、滅びゆく商店街に、かすかな再生の夢を見つけ出そうとしている人たちがいますが、彼らはいったい何を見失っているのでしょうか?

商店街の復興を目指す専門家たちが見失いがちなのは、商店街の店主たちのほとんどは、「コスト最小の生き方」を目指しているということです。

時々、TV番組で、「客が来ない店」の特集が放送されていますが、いずれの店も「コスト最小」を目指していることがよくわかります。

ちょっと探せば、近くの商店街にも、一日に一人くらいしかお客様が来ない薬屋さん、近所の馴染みのお客様しか来ない八百屋さん、四~五日はお客様が一人も来ない貸本屋さん、空気入れのお客様しか来ない自転車屋さん等々、そのままTV番組で紹介できそうな店を見つけることができます。

しかし、一方で、まだまだ頑張れば何とかなりそうなたくさんの店が存在する商店街でも、外部からチェーン店が参入して変化することはあっても、昔からそこにある店はおおむね旧態依然とした商売を続けています。

こうした店の店主たちはいったい何をどう考えているのでしょうか?

かつて、大勢のお客様で賑わった商店街のおかげで、大抵の店主の子供たちは学校を卒業し、立派に成長して独立していきました。

後に残った店主夫婦は、商店街の店や土地は自分のもので、店の二階や奥には夫婦が暮らせる十分な広さの住居があり、たとえ、店に来るお客様は少なくても、老後は何とか過ごして行けると感じています。

一方、高齢化した店主夫婦が多額な資金を借り入れて店舗を改装することは大変難しく、さらに、思い切って店をたたんで、夫婦揃って再就職することは、もっと困難なことです。

そのため、多少の持ち出しになったとしてとも、顔馴染みのお客様と楽しい会話をしながらのんびりやっていける現状の商売は、個人としては十分に採算が取れていると感じられるのです。

今、振り返れば、商店街振興策や活性化策は、商店街の店主以外の企業や関係者にとってだけ、大きな魅力のあるテーマだったと言えるでしょう。

商店街を復興させようとしてきた多くの人々は、残念ながら、実際に店で働いている多くの店主とその家族が「コスト最小」を目指しているという現実を見失ってきたのです。

(この「リアルショップあるある」シリーズの毎回のタイトルは、1995年に単行本、2004年に文庫本、2013年にブログで、「良い店悪い店の法則」として紹介したものです。それを、現在の捉え方でご報告しなおしています。)



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