38.注文後に接客を開始するのが飲食店、注文前から接客するのが物販店。
こんにちは。
今日は、「リアルショップあるあるシリーズ(38)」の、
リアルショップでは、「お客様が注文(購入を決定)した後から接客を開始するのが飲食店とセルフの物販店で、注文(購入を決定)する前から接客を開始するのが非セルフの物販店」という話です。
※お客様が店に入って来るや否や「いらっしゃいませ!」と店員が声をかけても、購入が決まっている飲食店のお客様は全く驚くことはない。
リアルショップにおいては、店員がお客様に接客を開始する「タイミング」によって、感じが悪い接客か感じが良い接客かが左右されてしまいます。
実は、現代のリアルショップには、接客の「タイミング」が異なる3種類の業態の店があることによって、混乱が起こっているのです。
接客の「タイミング」が異なる三種類の業態の店とは、(1)非セルフの物販店 (2)セルフの物販店 (3)飲食店です。それぞれの業態の店の接客の「タイミング」を、「人の動き」の観点から見てみましょう。
(1)非セルフの物販店の接客の「タイミング」
非セルフの物販店は、他の二つの店に比べて、接客を開始するタイミングが大変難しい店です。なぜならば、非セルフの店では、お客様から注文を受ける前から接客を開始する「常連接客」を行うからです。
そして、店にやって来る、大部分のまだ買うことが決まっていないお客様や買う気がないお客様に対して、直ぐに接客を開始すると、お客様を遠ざけてしまうことになります。
(2)セルフの物販店の接客の「タイミング」
セルフの物販店の場合は、お客様が店に入って来ても、まだ接客は開始されません。お客様がレジカウンターに商品を持って来た時が、接客を開始する「タイミング」です。つまりこちらは、お客様から注文を受けた後から接客を開始する「一見(いちげん)接客」です。
(3)飲食店の接客の「タイミング」
飲食店の場合は、お客様が一歩でも店に入って来た時は、すでに注文(購入)することが決まっているので、直ぐに接客を開始することが大切です。つまり、飲食店では、(2)セルフの物販店の場合と同様に、お客様から注文を受けた後から接客を開始する「一見(いちげん)接客」となります。
それではなぜ、リアルショップにおいては、異なる三種類の業態の店それぞれに接客のタイミングが異なるのでしょうか?
それは、店は、店員の「なわばり」だからです。
店は店員の「なわばり」であるために、お客様は、店員の「なわばり」に入って買い物をすることになります。
そのために、すでに注文(購入)を決定している(2)セルフの物販店と(3)飲食店のお客様にとっては、店員の「なわばり」に対するプレッシャーは少なくなりますが、まだ注文(購入)することが決まっていない(1)非セルフの物販店のお客様にとっては、店員の「なわばり」に対するプレッシャーは大変に大きなものになるのです。
したがって、(1)非セルフの物販店のお客様に対しては、お客様からの注文(購入)の声がかかるまでは、店員は、「なわばり」を解除した作業中のアクションを続けながら待っている必要があります。
以上のように、お客様が注文(購入を決定)した後から接客を開始するのが(2)セルフの物販店と(3)飲食店で、注文(購入を決定)する前から接客を開始するのが(1)非セルフの物販店なのです。
そして、近年、駅ナカ・駅チカなどの移動空間に登場し、大勢の通行客を集めている(1)非セルフの物販店では、接客の「タイミング」を含む店員の接客テクニックが、売り上げを左右するほどの非常に大きな役割を果たしているのです。
(この「リアルショップあるある」シリーズの毎回のタイトルは、1995年に単行本、2004年に文庫本、2013年にブログで、「良い店悪い店の法則」として紹介したものです。それを、現在の捉え方でご報告しなおしています。)
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