34.実演販売は出来立ての商品よりもアクションを売っている
こんにちは。
今日は、「リアルショップあるあるシリーズ(34)」の、
リアルショップにおいて、「実演販売の店は、出来立ての商品よりも、店員のアクションを提供することによって多くのお客様を引きつけている」という話です。
※実演販売の店にお客様が引きつけられる本当の要因は、店員が、「なわばり」を解除するアクションを行っているからです。
百貨店やショッピングセンターや移動空間にある店(駅ナカや駅チカ)には、必ず実演販売の店や実演販売コーナーを併設している店が存在し、多くのお客様を引きつけています。
百貨店やショッピングセンターなどの食品フロア―において、実演販売が多くのお客様を引きつけるということは販売関係者の間ではよく知られていますが、それはいったいなぜなのかということについては、通り一遍のことしか理解されていないのが現状です。
一般に、お客様の目の前で商品をつくることによって、視覚や嗅覚や聴覚などの五感に訴求することができ、同時に売り場に活気が生じるために、大勢のお客様を引きつけることができるのだという風に解釈されています。
しかし、実際には、実演販売の店は、それ以外の要因によって、大勢のお客様を引きつけているのです。
それでは、実演販売の店が多くのお客様を引きつける本当の要因はいったい何なのでしょうか?
それは、店は店員の「なわばり」だからです。
店が店員の「なわばり」であるという観点からとらえると、百貨店やショッピングセンターの食品フロアーの店は、その他のフロアーに比べて、店員の「なわばり」が主張されやすい店で構成されたフロアーになっていることがわかります。
なぜならば、食品フロア―のほとんどが、「なわばり」を主張する店員のアクションが生じやすい典型的な構造である「店員空間が狭い接触型店」によって構成されているからです。
そのような「なわばり」が主張されやすい店が立ち並ぶフロア―の中では、店員が常に作業を続けている実演販売の店だけが、終始「なわばり」が解除された店となります。
店員の「なわばり」が解除された店の前の通路には、お客様が気軽に近づいたり見たり順番を待つ行列ができたりするために、非常に「サクラパワー」が生じやすくなり、よりいっそう他のお客様を引きつけることになります。
つまり、実演販売の店は、出来立ての商品によってお客様を引きつけているのではなく、実演作業をすることによって生じる「なわばり」を解除した店員のアクションによって、大勢のお客様を引きつけているのです。
(この「「リアルショップあるある」シリーズの毎回のタイトルは、1995年に単行本、2004年に文庫本、2013年にブログで、「良い店悪い店の法則」として紹介したものです。それを、現在の捉え方でご報告しなおしています。)
【関連記事1】
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【関連記事2】
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16.説得して売ったと思うときは、客は初めから買うことを決めている
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