39.客は買うために店に来るのではなく、見るためにやって来る
こんにちは。
今日は、「リアルショップあるあるシリーズ(39)」の、
リアルショップでは、「お客様は商品を購入するために店にやって来るのではなく、商品を見るためにやって来る」という話です。
※お客様が気軽に見ることができる店は、気軽に見ることができない店よりも、購入するお客様が多い。
リアルショップの店員は、自分の店にやって来るお客様の多くは、買うことが目的ではなく、ただ見るだけのつもりでやって来るということをよく知っています。
しかし、買わなくてもいいから、できるだけお客様に自由に商品を見てもらうことが大切だということをを知っている店員は、限られた数しか存在していません。
それではなぜお客様は、買うために店にやって来るのではなく、見るためにやって来るのでしょうか?
それは、店は、店員の「なわばり」だからです。
店は、店員の「なわばり」なので、お客様は、店員のなわばりに入って買い物をしなければいけません。
そのために、ほとんどのお客様は、買うか買わないかには関係なく、できるだけたくさんの情報を獲得するために、多くの商品を見たり触れたり試したりしたいと望んでいますが、買う目的がない場合には、なかなか気軽に店頭に近づいたり自由に店内に入ったりすることができません。
したがって、ほとんどのお客様は、普段は店の外の通路から、店内の様子や商品を眺めているのです。
しかし、ある現象が生じた場合には、店は一変して、誰にとっても非常に入りやすい店となります。
それは、何人かの他のお客様が店の中に居て、店員が接客に追われているという現象です。
そのような店を「サクラパワー現象」が生じている、ということは何度か説明してきましたが、「サクラパワー現象」が生じている店は店員の「なわばり」が解除されているために、お客様は、買う買わないに関係なく気軽に店内に入ることができるのです。
ところで、「サクラパワー現象」が生じると、普段、その店に入ったことがない多くのお客様も、引きつけられて店にやって来ます。
なぜなら、「サクラパワー現象」は、
その店はなわばりが解除されており安全である、
その店には大勢の客を引きつける魅力的な商品がある、
という情報を発信しているからです。
このような情報には強力なパワーがあるため、多くのお客様は、まったく買う気はなくても、とりあえず、その店の商品を見るために集まってきます。
そして、普段から多くのお客様が商品を見るためにやって来る店は、結果として、そうでない店よりも、はるかに高い売り上げを上げることができるのです。
つまり、リアルショップの関係者の皆様は、お客様は商品を購入するために店にやって来るのではなく、商品を見るためにやって来るのだと理解することが大切なのです。
(この「リアルショップあるある」シリーズの毎回のタイトルは、1995年に単行本、2004年に文庫本、2013年にブログで、「良い店悪い店の法則」として紹介したものです。それを、現在の捉え方でご報告しなおしています。)
【関連記事1】
1.客を遠ざけるアクション、引きつけるアクション
2.店員の目には見えないが、お客様の目には良く見える「サクラパワー」現象。
3.店員の目には見えないが、お客様の目にははっきりと見える店員のアクション。
【関連記事2】
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3.店員に顔を覚えられたと思ったら客は店を替える
4.大事なものほど遠くの店に買いに行く
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16.説得して売ったと思うときは、客は初めから買うことを決めている
17.商品が山積みされた店では客の血が騒ぐ
18.実演販売は出来立ての商品よりもアクションを売っている
19.セルフの店では客は自由なアクションを買っている
20.客は商品よりも客の姿に引きつけられる
21.気の利いた接客よりもマニュアル接客が客を呼ぶ
22.注文後に接客を開始するのが飲食店、注文前から接客するのが物販店。
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