41、客が来ない店でも営業し続けるのはなぜか?
こんにちは。
今日は、「リアルショップあるあるシリーズ(41)」の、
リアルショップでは、「ほとんどお客様が来そうにない店でも、営業を続けているのはなぜか?」という話です。
※ほとんどお客様が来なくて、つぶれそうな店がいつまでも営業を続けてゆけるのは、コスト最小を目指しているから。
1950年代~1960年代に渡って隆盛した日本の商店街は、スーパーや大型店の進出に伴って停滞ないしは衰退を見せ始め、やがて「シャッター通り」と言われるようになりながらも、いくつかの店はしぶとく生き長らえてきました。
商店街の店の中には、店頭周りだけでも改装すれば、間違いなく今よりもたくさんのお客様が来てくれると思われる店もありますが、たいていは全く改装の気配を見せることなく、店が老朽化するにまかせて営業を続けています。
それではなぜ、ほとんどお客様がやって来ないような店が、いつまでも細々と営業を続けていくことができるのでしょうか?
それは、店は、「コスト最小」を目指しているからです。
ほとんどの動物が、できるだけ支出を少なくして効率よく生き延びて行くために、「コスト最小」を目指した活動を行っていますが、実は、商店街の店もまた「コスト最小」をめざしているのです。
一見、大きな利益を目指しているように見える大手企業が出店や退店を繰り返したり、チェーン店などが店舗の改装を繰り返すのも、実は、できるだけ少ない支出で生き延びる方法を模索する「コスト最小」を目指した取り組みを行っているのです。
一方、大手企業やチェーン店と違って、簡単には退店・出店や店舗改装ができない商店街の店にとっては、たとえ来店客が減少したとしても、そのまま何もしないで細々と営業を続けることが、「コスト最小」を目指した活動なのです。
馴染みのお客様しか来ない理髪店や美容院、一日に一人くらいしかお客様がやって来ない様な薬粧店や履物店や和菓子店や玩具店等々。
このような店は、大胆な出店や退店を繰り返したり、大々的なリニューアルを行ったりすることがないため、致命的な失敗をするということもありません。
したがって、どんどん新しい店が出店して来て、商店街が大きく様変わりしていく中で、昔のままの姿で、ほとんどお客様がやって来ないような店が営業を続けている例を見ることができます。
とはいっても、そのような店も、やがては店主の高齢化に伴って「コスト最小」の活動を続けることができなくなり、店じまいとなってゆくのです。
(この「リアルショップあるある」シリーズの毎回のタイトルは、1995年に単行本、2004年に文庫本、2013年にブログで、「良い店悪い店の法則」として紹介したものです。それを、現在の捉え方でご報告しなおしています。)
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