44.商店街の世話役は商売が苦手
こんにちは。
今日は、「リアルショップあるあるシリーズ(44)」の、
リアルショップでは、「熱心に商店街の世話役をする店主に限って、なぜ商売の方は苦手なのか?」という話です。
※商店街の祭りの時は、どこかの店が犠牲にならざるを得ませんが、提供される店は大抵、熱心な世話役の店なのです。
かつて、商店街がまだまだ元気だった時代から、衰退に歯止めがかからない現在の商店街に至るまで、商店街の催し物は、店主の中から選ばれた「世話役」たちの懸命な努力によって運営されています。
しかし、商店街の世話役を引き受けた店主は、どうしても自分の店を犠牲にして仕事をしなければならないために、ほとんどの店主が、嫌々、大変な仕事を引き受けているのが実情です。
しかし、それぞれの商店街の中には、そのような世話役を好んで一手に引き受け、非常に積極的にその仕事に取り組む店主も意外にたくさん存在しているのです。
そして、そのような店主たちの力が中心となって、商店街の様々な大変な行事をうまく進行させてゆくのです。
ところが、商店街の世話役を好んで引き受ける店主たちの店は、意外なことに、他店に比べてあまり繁盛していない店なのです。
それではいったいなぜ、商店街の世話役に積極的な店主の店はあまり繁盛せず、世話役をできるだけ避けようとする店主の店の方が繁盛しているのでしょうか?
商店街の世話役は、自分の店を犠牲にしなければいけないほど大変な仕事であるために、肝心の商売がうまくゆかなくなってしまうのだと思われがちですが、決してそうではありません。
それは、人は誰しも、「コスト最小」の行為を目指しているからなのです。
商店街の全ての店は、初代の店主が懸命に頑張った結果、生き残った店で構成されているために、どの店の店主も商売が得意な人達ばかりですが、二代目の店主となると、必ずしも商売が得意とは限りません。
実は、商店街の世話役を進んで買って出るような店主は、商売よりも世話役の仕事の方が得意な人たちなのです。
したがって、商店街の世話役の店が繁盛していないのは、店主が商売よりも世話役の仕事を優先しているためではなく、店主自身があまり商売が得意ではないということが原因なのです。
人が誰しも、不得意な仕事を避けて、自分が得意な仕事がしたいと願うのは、「コスト最小」の行為を目指いしているからなのです。
全国の商店街の世話役の中には、店をたたんで世話役の仕事専門になってしまった人たちがたくさんいます。
このような人たちは、実は商売よりも世話役という仕事の方がはるかに向いていたのです。
(この「リアルショップあるある」シリーズの毎回のタイトルは、1995年に単行本、2004年に文庫本、2013年にブログで、「良い店悪い店の法則」として紹介したものです。それを、現在の捉え方でご報告しなおしています。)
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