26.ウソをついてもなかなか売れないが、本当のことを言うと絶対に売れない
こんにちは。
今日は、「リアルショップあるあるシリーズ(26)」の、
リアルショップでは、「ウソをついたからといって売れるモノではないが、本当のことを言ってはもっと売れなくなる」というお話です。
※お客様は、ウソでもいいから「大変お似合いです!」と言ってほしい時がある。
家庭や地域や学校や職場の人間関係では、「ウソ」をつくことはタブーとされています。
なぜなら、たとえ、その場はうまく取り繕うことができても、やがて「信用できない人だ」と思われて、修復不可能な関係に陥ってしまうからです。
ところで、リアルショップにおける店員に対しては、それ以上の「誠心誠意」のサービスの提供が求められています。
客のことを「お客様」と呼び、お客様最優先が厳しく指導されているのは、かつて、客をだましたり裏切ったりした商売が一部に横行していた時代があったからです。
しかし、リアルショップの店員の立場を考えると、直ぐに、常にウソをつかず本当のことを話し続けることは、ほとんど不可能な状況にあることがわかります。
たとえば、リアルショップにおいて、お客様にピッタリのサイズや色やデザインの洋服を、常時取り揃えて対応することは、ほとんど不可能なことです。
にもかかわらず、リアルショップの店員は、必ず、「お似合いですよ!」とか「ピッタリです!」という商品を見つけ出して、お客様にすすめてきます。
それでは、なぜリアルショップではこのような店員の「ウソ」がお客様に受け入れられているのでしょうか?
それは、店は、店員の「なわばり」だからです。
店が、店員の「なわばり」であるにも関わらず、少しでも多くのお客様を引きつけるためには、「なわばり」を解除する店員のアクションと、それに伴う接客トークが不可欠となります。
つまり、「なわばり」を解除するために、店員は様々なウソをつかなくてはいけないのです。
実は全てのお客様はそのことを心得ており、店員との会話は、それを承知の上で成立しているのです。
事実、お客様は、ここはひとつウソでもいいから「本当にお似合いです!」とか「本当にお買い得です!」と、店員から言ってほしい時があるものです。
以上のように、リアルショップ(店)では、時には店員の「ウソ」や「無礼」をきつく戒め、時には店員の「ウソ」や「お世辞」を歓迎するなど、一般的な人間関係では考えられないことが生じていますが、それは、店員とお客様が人間関係を結ぶリアルショップ(店)という現場が、店員の「なわばり」だからなのです。
(この「「リアルショップあるある」シリーズの毎回のタイトルは、1995年に単行本、2004年に文庫本、2013年にブログで、「良い店悪い店の法則」として紹介したものです。それを、現在の捉え方でご報告しなおしています。)
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