18.買わないときには店員がつきまとい、買いたいときには店員が見つからない
こんにちは。
今日は、「リアルショップあるあるシリーズ(18)」の、
リアルショップでは、「お客様は、買わないで見ているだけのときには、店員から話しかけられることが嫌なのに、買うことが決まったときには、店員にすぐそばにいて欲しいと思うのは何故なのか?」というお話です。
※店は店員の「なわばり」なので、まだ購入が決まっていないお客様は、店員の存在が気になるが、購入が決まった場合は、店員が見えないことに不満を感じる。
多くの人にとって、様々なリアルショップを見て歩くことは大きな楽しみの一つです。
そして、商品に関する質問や相談に対して、店員から、プロとしてのわかりやすい案内や説明が直ぐに聞けることもリアルショップの大きな魅力です。
しかし、リアルショップのお客様にとって、店員の存在は必ずしも良いことばかりではなく、時には大きな障害になることも事実なのです。
なぜならば、リアルショップを訪れるお客様は、たいていの場合、あらかじめ商品を購入することを決定しているわけではないからです。
例えば、近日中に購入する予定の商品の下見の場合もあれば、何店かの店で価格や内容を比較したいこともあり、また、特に買う気はないがただ何となく見たいときなど、お客様は様々な都合でリアルショップを訪れているのです。
一方、リアルショップの店員は、お客様がどのような都合であるにせよ、当然、購入してもらうことを目標にして、一生懸命、お客様に対応します。
したがって、今日は購入する気がないお客様にとっては、積極的に案内や説明をしてくれる店員の存在は大きなプレッシャーとなり、そばに来られると、長時間、店内に滞留することができません。
また、たとえ「今日は購入しよう!」と思って店に来ていても、いろいろと検討してから購入を決定したいと思うお客様にとっては、店員の積極的な案内や説明は大きな負担になることがあります。
なぜならば、リアルショップにやって来るほとんどのお客様は、自分が気が済むまで商品を見たり触れたり試したりすることを望んでいて、最初からいきなり店員にあれこれ接客されることは望んではいないからです。
また、結果的に購入することには変わりはないとしても、お客様にはそれぞれ要望があり、直ぐに決定したい人や、長時間検討したい人や、一点を詳しく調べたい人や、できるだけ多くの数を調べたい人など、購入決定までのプロセスは人様々なので、直ぐに接客をすることは、なかなか多くのお客様の満足にはつながりません。
一般に、購入することが決まっているお客様であっても、いろいろと検討中で、まだ具体的な商品が決定しない間は、たいてい店員から接客されることを嫌います。
ところが、お客様は、ひとたび具体的な商品の購入が決定した場合には、一転して、直ぐ店員が対応してくれることを望んでしまいます。
それでは、なぜ、リアルショップでは、買うことが決まっているお客様であっても、状況によって、店員の存在に対する感情が大きく変化するのでしょうか?
それは、店は店員の「なわばり」だからです。
店が店員の「なわばり」であることを、実は、ほとんどのお客様がはっきりと感じています。
したがって、すでに買うことが決まっているお客様であっても、店員の「なわばり」であるリアルショップに入って行くことには、大きなプレッシャーを感じているものなのです。
つまり、お客様は、店員が想像する以上に、店員の接客から強い影響を受けてしまうので、できるだけ影響を受けないでいろいろと検討したいために、購入が決定するまでの店員の接客には、特に神経質になってしまうのです。
ところが、商品の購入が決定したお客様にとっては、店員の「なわばり」が弱くなるため、立場が逆転して、今度は直ぐに対応してくれることを強く望んでしまうのです。
(この「「リアルショップあるある」シリーズの毎回のタイトルは、1995年に単行本、2004年に文庫本、2013年にブログで、「良い店悪い店の法則」として紹介したものです。それを、現在の捉え方でご報告しなおしています。)
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