16.閉店セールの時に一番客が来る
こんにちは。
今日は、「リアルショップあるあるシリーズ(16)」の、
リアルショップでは、「閉店セールの時に初めて、今まで体験したことがないほど多くのお客様がやって来る」というお話です。
※閉店セールに大勢のお客様が押しかける要因こそ、リアルショップが繁盛するための条件なのです。
リアルショップにおいては、店員がお客様に「今は、やって来てほしくない」と思える時があるという話の四回目です。
繁盛する店を夢見て、次から次へと多くの店がオープンします。
そして、立地が良い店か悪い店かを問わず、ほとんどの店は、開店人気で大勢のお客様で大変な賑わいを見せるものです。
ところが、大抵の店は、開店してしばらくすると、当初の売り上げは急激に下がってゆきます。
そこで、店長や店主は、手を替え品を替え、様々な方策を駆使しては、売り上げの維持や向上に努めます。
しかし、残念ながら、通行量の多い通路(路面)に出店をするという立地条件を満たさない多くの店は、開店当初が最高の売り上げで、それ以降は苦戦を強いられてゆくのが通常のパターンです。
やがて、これ以上営業を続けてゆくことは無理だという状態に追い込まれた店は、いよいよ閉店することを決断するのです。
そして、せめて最後に店の在庫商品を売りつくして、少しでも挽回を図るために、特別価格を設定したり、取引先に泣きついて格安目玉商品を取り揃えたりして、不安の内に閉店セールが始まります。
ところが、あに図らんや、閉店セール当日から、大勢のお客様で賑わうことになるのです。
開店当初だけしか来てくれなかったお客様や、それまで一度も来たことがないお客様までがどんどん押しかけて来て、開店以来経験をしたことのない来店客数となり、当然最高の売り上げを記録することになるのです。
なぜ、閉店に追い込まれた店の閉店セールに、大勢のお客様がやって来るのでしょうか?
なぜならば、店は店員の「なわばり」だからです。
開店後の店で、店員がじっと立ってお客様を待ち受けるアクションや、早すぎる「いらっしゃいませ!」を言う接客アプローチは、「なわばり」を主張する店員のアクションになるために、お客様を遠ざけてしまいます。
それに対して、閉店セールの店は、店頭や店内に特別価格の「商品」があふれ、「商品空間」そのものからも「なわばり」が解除されたメッセージが発信されます。
そして、接客や作業に追われる店員のアクションや、一日中続く「サクラパワー」によって、店頭も店内も「なわばり」が完全に解除された状態となるのです。
立地の良し悪し、店の大小、商品の種類を問わず、どんな店であれ、通常よりも豊富な格安価格の商品と、「なわばり」を解除した店員のアクションと、途絶えない「サクラパワー」が揃った店は、老若男女のお客様を引きつける、特別に強烈なパワーを発揮するものなのです。
店長や店主らの誰もが、連日大盛況の閉店セールの店を眺めては、「このまま閉店セールを続けたい!」と思い、中にはいつまでも閉店セールを続ける店もありますが、やがて閉店セールは終わりを迎え、静かに店は消え去ってゆくのです…。
(この「「リアルショップあるある」シリーズの毎回のタイトルは、1995年に単行本、2004年に文庫本、2013年にブログで、「良い店悪い店の法則」として紹介したものです。それを、現在の捉え方でご報告しなおしています。)
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