20.大事なものほど遠くの店に買いに行く
こんにちは。
今日は、「リアルショップあるあるシリーズ(20)」の、
リアルショップでは、「お客様は、普通の買い物の場合は近所の馴染みの店を利用するが、大事な買い物のときには、遠くの店に買いに行く」というお話です。
※お客様には、近所の馴染みの店員(店主)には、知られたくない買い物がある。
お客様は、「店員に顔を覚えられたと思ったら、客は店を替える。2015年11月 7日 」でご説明したように、「見知らぬ客」としての買い物を望んでいることは事実です。
しかし、近所の馴染みの店員(店主)がいる店となると、話は変わります。
かつての商店街の店は、近所の馴染み客を対象にした店で構成されていました。
そしてそこでは、店員(店主)とお客様という関係よりも、お互い地元の馴染み同士という関係を優先して、商売が成り立っていました。
したがって、店員(店主)は多少無理なサービスをしても、また、お客様は少々気にいらない商品であったり少しくらい高かったりしても、普段の人間関係を保つために、お互いに我慢し合ったり助け合ったりして、売り買いをしていたのです。
しかし、その一方で、お客様は近所の馴染みの店員(店主)には内緒で、そっと遠くの店に行って買い物をすることがありました。
つまり、近所の店員(店主)には絶対に知られたくない商品を購入する場合には、黙って遠くの店で購入していたのです。
なぜ、お客様は、近所の店にも売っている同じ商品を、わざわざ遠くの店まで買いに行くのでしょうか?
それは、店は店員(店主)の「なわばり」だからです。
店は店員(店主)の「なわばり」なので、お客様は、店員(店主)の「なわばり」に入って、「なわばり」争いをしながら買い物をすることになりますが、お客様にとっては、その「なわばり」争いこそが、買い物に隠された醍醐味なのです。
ところが、お客様と店員(店主)が地元の馴染み同士である場合には、お客様は、お互いに貸したり借りたり、助けたり助けられたりする濃密な人間関係を大切にして、買い物をしなければならなくなります。
そのために、お客様は、近所の馴染みの店員(店主)に絶対に知られたくない商品を購入する場合には、内緒で遠くの店まで出かけて行くことになるのです。
そして、遠くの店で、「見知らぬ客」となって、「見知らぬ店員」と「なわばり」争いを伴いながら、買いたい商品を買いたいように購入するのです。
かつて、近所の馴染み客を対象にして隆盛を誇った日本の商店街がことごとく衰退していった背景には、新しい商業集積の登場があげられますが、そのような商業集積の魅力の本質は、お客様が「見知らぬ客」となって、「見知らぬ店員」となわばり争いを繰り広げながら買い物をすることができるという点にあるのです。
店員の「なわばり」であるリアルショップにおいては、お客様が「見知らぬ客」になれるほど、買い物の醍醐味が味わえるのです。
(この「「リアルショップあるある」シリーズの毎回のタイトルは、1995年に単行本、2004年に文庫本、2013年にブログで、「良い店悪い店の法則」として紹介したものです。それを、現在の捉え方でご報告しなおしています。)
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