22.地元の店ではしゃべらない客も観光地の店ではよくしゃべる
こんにちは。
今日は、「リアルショップあるあるシリーズ(22)」の、
リアルショップでは、「お客様は、地元の店ではできるだけしゃべらないように心掛けて、観光地の店に行った時には、思いっきりしゃべる」というお話です。
※地元の店では無口なお客様も、「なわばり」が解除された観光地の店では、「見知らぬ客」となって、よくしゃべる。
店の起源は、異なる共同体に暮らす「見知らぬ者同士」が、その共同体の境界において、お互いの情報を交換し合う現場であったとも言われています。
つまり、店は単にモノとお金を交換するだけの現場ではなく、「見知らぬ者同士」の重要なコミュニケーションの現場だったのです。
その後、地元に店が生まれ、そこは、地元の「馴染み同士」の濃密な人間関係を基本としたコミュニケーションが行われる現場となりました。
このような地元の店では、店員と客はお互いに相手の情報をよく知っているので、嘘をついたり無責任な話をしたりすることは慎んで、時候の挨拶など、ありきたりな会話=コミュニケーションを伴った売り買いが行われて来ました。
しかし、このようなお客様も、地元を離れて、見知らぬ観光地の店に出かけて行った場合には、自由に振る舞い、好き勝手な会話を楽しんだのです。
それでは、なぜ、地元の店ではあまりしゃべらないお客様も、観光地の店ではよくしゃべるのでしょうか?
それは、店は、店員の「なわばり」だからです。
観光地の店も、地元の店と同様に、店員の「なわばり」であることには変わりはありません。
しかし、観光地の店は「見知らぬ客」を対象にしているために、j地元の店よりもはるかに、店員の「なわばり」を解除しなければ、お客様は入って来てくれません。
そのため、観光地の店では、店員は「見知らぬ客」の少々の嘘や無責任な会話を歓迎して、できるだけ「なわばり」を解除してきたのです。
お客様は「見知らぬ客」として、二度と会わないであろう「見知らぬ店員」と、嘘や冗談をまじえた無責任な会話を交わしつつ、「なわばり」が解除された特別な空間で、楽しい買い物をすることになるのです。
このように、お客様は、「なわばり」が解除されていない地元の店では、できるだけおしゃべりを控え、一方、「なわばり」が解除された観光地の店では、「見知らぬ客」となって、思う存分おしゃべりな人になるのです。
(この「「リアルショップあるある」シリーズの毎回のタイトルは、1995年に単行本、2004年に文庫本、2013年にブログで、「良い店悪い店の法則」として紹介したものです。それを、現在の捉え方でご報告しなおしています。)
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