29.清潔を気にする客でも実演販売が気にならない
こんにちは。
今日は、「リアルショップあるあるシリーズ(29)」の、
リアルショップでは、「普段は、不潔に感じる食品は食べられないが、実演販売の場合は全く気にならない」というお話です。
※見知らぬ人が土足で歩き回る店内に、むき出しのままに陳列された商品を、ほとんどのお客様は気にしない。
食品製造販売会社にとって衛生管理は非常に重要で、万が一、販売した商品に異物が混入していたりすると、製造工程管理や衛生管理などの面が厳しく問われ、会社の存続にも関わるほど大変な問題に発展してしまいます。
それだけに、全ての企業において、製造管理や衛生管理の徹底が最優先されています。
しかし、百貨店の地下食品フロア―(デパ地下)における、実演販売コーナーや商品陳列の仕方や試食販売などを見ると、必ずしも徹底された衛生管理が行われているわけではありません。
大勢の老若男女が土足のままで行き交う通路に、むき出しで陳列された食品や、その場で作って販売する実演コーナーや、誰でも自由に食べられる試食コーナー等は、とうてい衛生的であるとは言えないからです。
それではなぜ、家庭の台所では衛生的であることを好むほとんどのお客様が、「デパ地下」の食品フロア―の環境や商品の陳列の仕方や売り方に対しては、衛生的であることにこだわらないのでしょうか?
それは、店は、店員の「なわばり」だからです。
店が店員のなわばりであるために、お客様は、店員のなわばりに入って、なわばり争いをしながらモノを見たり検討したり買ったりしなければなりません。
しかし、お客様にとっては、店員のなわばりに侵入して、店員となわばり争いをしながら行う買い物こそが、リアルショップにおける醍醐味なのです。
したがって、見知らぬ人々でごった返す「デパ地下」の食品フロアでは、できるだけ「なわばり」を解除するために、日常の衛生的な価値観を二の次にした、見た目(視覚)や香り(嗅覚)や音(聴覚)などによって、五感を刺激する売り方が競われているのです。
だからこそ、毎日の暮らしの中では清潔を第一にするお客様でも、「デパ地下」の様々な売り方が全く気にならないのです。
(この「「リアルショップあるある」シリーズの毎回のタイトルは、1995年に単行本、2004年に文庫本、2013年にブログで、「良い店悪い店の法則」として紹介したものです。それを、現在の捉え方でご報告しなおしています。)
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12.おいしいからといって売れるわけではない、まずいからといって売れないわけではない。
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