23.商品がいいから買うよりも、すすめられて悪いから買う方が多い
こんにちは。
今日は、「リアルショップあるあるシリーズ(23)」の、
リアルショップでは、「お客様は、商品が気に入ったから買うという場合よりも、店員に熱心にすすめられて悪いから買うという場合の方が多い」というお話です。
※お客様は、店員が「下手・したて」で、自分が「上手・うわて」な立場になったと感じると、店員が熱心にすすめてくれる商品を買いたくなる。
お客様は、自分が欲しかった商品がちょうど見つかったから購入するということの他に、実に様々な理由によって商品を購入しています。
その理由とは、
「買う気は全くなかったが、半額セールだったので買った」、
「たまたま通りかかったら急に欲しくなって買った」、
「商品は気に入らなかったが、長く接客してくれた店員に悪いと思って買った」、
「店員から、お金を持っていないと思われたくなかったので無理して買った」
等などで、お客様は、自分が本当に買いたい商品でない場合にも、意外に購入しているものなのです。
それではなぜお客様は、リアルショップで、特に必要ではない商品を購入してしまうのでしょうか?
それは、店は、店員の「なわばり」だからです。
店は、店員の「なわばり」なので、お客様は、店員との「なわばり」争いをしながら買い物をすることになります。
店員との「なわばり」争いは多くのエネルギーを消耗しますが、すでに繰り返しご説明してきたように、お客様にとってはそのことが買い物をする際の醍醐味になっているのです。
ところで、「なわばり」を主張する店員のアクションからお客様が遠ざかる理由は、店員が「上手・うわて」で、お客様が「下手・したて」の立場になってしまうからです。
一方、「なわばり」を解除する店員のアクションにお客様が引きつけられる理由は、一瞬にして店員が「下手・したて」で、お客様が「上手・うわて」の立場になるからなのです。
人は、相手から「上手・うわて」の立場であるように扱われることを最も好み、反対に、相手から「下手・したて」の立場であるように扱われることを最も嫌います。
そのために、店員が「下手・したて」に出て、客を「上手・うわて」の立場にしてくれたと感じると、お客様はその見返りとして商品を購入することになりやすいのです。
お客様が、「店員からすすめられて、悪いと思ったから買った」と思うときは、実は店員がお客様を「上手・うわて」にして、店員が「下手・したて」になる「なわばり」解除のアクションを繰り返し提供してくれたという要因が隠されているのです。
(この「リアルショップあるある」シリーズの毎回のタイトルは、1995年に単行本、2004年に文庫本、2013年にブログで、「良い店悪い店の法則」として紹介したものです。それを、現在の捉え方でご報告しなおしています。)
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