19.店員に顔を覚えられたと思ったら客は店を替える
こんにちは。
今日は、「リアルショップあるあるシリーズ(19)」の、
リアルショップでは、「店員に顔を覚えられたと思った瞬間、店を替えたくなるほど、お客様は店員に対して見知らぬ関係を望んでいる」というお話です。
※店員に顔を覚えられてしまったと感じた瞬間、「店を替えたい!」とお客様が感じる背景にひそむモノとは?
大抵のお客様は、店員には個人情報を教えたくないと思っています。
たとえキャンペーンや特別にお買い得なお知らせが得られるとしても、普通は、できるだけ自分の住所・氏名を店員には教えたくありません。
商品の特性上、氏名・住所や身体のサイズなどを店員に知られてしまう場合もありますが、多くのお客様は、できるだけ個人情報を知られないで買い物をすることを望んでいます。
その点、セルフサービス方式の店は、そうでない店に比べて、顔や名前を店員に覚えられないまま、継続して利用できるところが大きな魅力になっています。
例えば、コンビニでは、深夜におにぎり一個だけや、早朝にバナナ1本だけでも、全く抵抗なく買い物をすることができますが、それは、店員に顔や名前を覚えられていないからです。
ところが、コンビニの店員であっても、できるだけお客様の顔や買い物の内容を覚えて、素早く対応したり、特別に良くしてあげることがサービスなのだと勘違いしている人が存在しています。
そして、顔を見るだけで、いつも注文するコーヒーやたばこを素早く準備したり、「毎度ありがとうございます!」等と言って、特別な接客サービスを提供してくれたりします。
しかし、残念ながらお客様の多くはそのようなサービスを望まず、自分の顔を店員に覚えられたと気づくや否や、他の店に行きたくなってしまうのです。
なぜ、お客様は、店員に「いつものお客様だ!」と思われるだけで、他の店に替わりたくなってしまうのでしょうか?
それは、店が店員の「なわばり」だからです。
リアルショップにおいては、お客様は、常に店員の「なわばり」に入って買い物をすることになります。
このとき、お客様が「見知らぬ客」である限りは、店員との「なわばり争い」を行いつつ、買い物をすることができます。
ところが、店員と顔馴染みになると、もはや店員の「なわばり」を無断で侵すことはできなくなるので、それまでのような「なわばり争い」を行うことは不可能になります。
リアルショップを訪れるお客様にとっては、自分が欲しい商品を獲得することもさることながら、無意識のうちに、店員との「なわばり争い」を行うことこそが一番の魅力なのです。
だから、大抵のお客様は、店員と顔なじみにならずに、「見知らぬ客」として買い物をすることを望んでいるのです。
(この「「リアルショップあるある」シリーズの毎回のタイトルは、1995年に単行本、2004年に文庫本、2013年にブログで、「良い店悪い店の法則」として紹介したものです。それを、現在の捉え方でご報告しなおしています。)
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